2011年11月01日-11月04日
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中国有人宇宙計画、国民経済の発展を促す

2011年11月04日

 神舟8号と天宮1号のドッキングが成功した。これは中国有人宇宙飛行プロジェクトの重要な一歩を示し、「3段階の発展戦略」の第2段階に入ったことを意味する。ところが現在、中国有人宇宙飛行計画の発展に対して、疑問が投げかけられている。新華網が伝えた。

 有人宇宙飛行プロジェクトが国民の生活に役立つのか。巨額の経費は合理的か。現実問題が未解決であるにも関わらず、宇宙事業に力をそそぐのは実質的なやり方でなく、政治的なメンツが絡んでいるのではないか。

 中国の有人宇宙飛行プロジェクトは精神的な力は当然ながら、現実から離れたことは一度もない。

 ▽宇宙事業の発展は、ハイテク技術の発展を促す

 有人宇宙飛行プロジェクトと関連するハイテク産業はさまざまである(近代力学、天文学、地球科学、宇宙医学、宇宙科学等)。一連の技術課題に取り組むプロセスにおいて、さまざまなハイテク技術のレベルアップが促され、中国の各科学技術の発展を推進しているのだ。

 中国有人宇宙飛行プロジェクトの王永志高級顧問は、「これらの分野のハイテク技術は、他の国から買うことができない。科学技術の実力は、一つの国の総合的実力を形成する重要な要素である。ハイテク技術の成果は、自身の力によってのみしか得られない」と指摘した。

 ▽宇宙事業の発展は、国民経済の発展を促す

 歴史的にも、それは証明されている。60年代、米国のアポロ月面着陸計画は、3000件を超える特許を獲得し、米国のハイテク産業発展を力強く後押しした。宇宙船の研究開発により生み出された一般製品が3万種を超え、人工知能やリモートセンシング作業等の技術の転換が、工業・農業全体の繁栄を促した。

 宇宙事業に1元を投じれば、7-12元の利益が得られる。これは欧米の研究機関が、異なる模型と手段により実施した評価結果だ。

 中国有人宇宙飛行プロジェクトの発展も、経済発展に対して重大な意義を持つ。衛星通信、テレビ、GPS、宇宙での植物栽培、新材料・新薬の研究において、一般国民の生活に影響する進展がある。

 ▽宇宙事業の実施により、関連産業の発展が促される

 宇宙ステーション建設と、宇宙ステーションを利用した実験まではまだ時間がかかる。しかし有人宇宙飛行計画宇宙応用システムの趙光恒総設計師は、「神舟1号から7号までに、宇宙空間での一連の実験と応用を実施し、30件以上の宇宙科学・応用任務を達成した」と指摘した。

 宇宙船・神舟は宇宙空間での植物栽培を行い、高い応用価値を備える農産物と薬用植物を栽培した。有人宇宙船を利用し、乗務員は地球の磁場をモニタリングし、原油、鉱山、地下水源を探索し、農作物の成長等を観察することができる。

 地球の人口が70億人に達したという情報は、限りある地球資源の枯渇を人々に意識させた。有人宇宙飛行計画は、人類が活動領域を広め、宇宙資源を大規模開発し利用するための、重要な手段である。

 地球に人が住む余地が不足しつつある今、人間は宇宙に目を向けなければならない。飽くなき探求を必要とする科学と未知の宇宙、人間はより長期的な目を持たなければならない。

 中国有人宇宙飛行プロジェクトは、国民の期待を背負い、経済発展を促進している。これは実質的な事業であり、政治的なメンツとは何ら関わりない。

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