2011年11月07日-11月11日
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中国初の核破砕中性子源、年間被曝量は飛行機1回搭乗程度

2011年11月07日

 広東省東莞市で中国最大の国家重大科学インフラ「中国核破砕中性子源」(CSNS)の建設が進められている。完成すると発展途上国初の核破砕中性子源、世界第4のパルス核破砕中性子源となる。これによって材料・生命・ナノ科学分野で中国の基礎研究・技術水準が大幅に高まり、世界の最高レベルとの距離が縮まることが期待される。羊城晩報が伝えた。

 CSNSは第11次五カ年計画の重点大型科学装置。中国科学院と広東省が東莞市大朗鎮の約67ヘクタールの敷地に建設を進めており、2017年前後に竣工予定。総投資額は22億元(国が17億元、広東省が5億元)となる見通しだ。

 完成すると発展途上国初の核破砕中性子源、米国、英国、日本に次ぐ世界第4のパルス核破砕中性子源となる。

 CSNSは新世代加速器に基づいており、核物質を必要とせず、放射線量は環境保護安全範囲内に制御されている。「周辺住民の年間被曝量は飛行機に1回乗る程度に過ぎない」と陳和生・中国科学院高エネルギー物理研究所所長は説明する。

 CSNS周辺には放射線監視ステーションが設置される。「核破砕中性子源プロジェクト環境アセスメント報告」によって、事故時の緊急マニュアルも定められている。核破砕中性子源は核物質を使用しないため、万一事故が起きても電力供給を切れば、主な放射は直ちに停止する。

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