理化学研究所と富士通は2日、神戸市で開発中のスーパーコンピューター「京(けい)」が、目標としていた計算速度「毎秒1京回(京は1兆の1万倍)」を超える毎秒1京510兆回を達成したと発表した。1京回突破は世界初。中国のニュースサイト「中国経済網」が7日、共同通信の報道として伝えた。
京は今年6月に毎秒8162兆回で世界1位となり、それまでトップだった中国の「天河1号A」(毎秒2566兆回)を大きく引き離した。
京に搭載された中央演算処理装置(CPU)は富士通が製造する「SPARC64 VIIIfx」。コア数は8基、クロック周波数は2.0GHz、L2キャッシュは6MB、消費電力は58W、2GHz動作時の演算処理性能は128GFLOPS(毎秒1京2800兆回)。高性能のクラスタに向けた一連の拡張機能により、共有L2キャッシュをアプリケーション側から管理することができる。このほか、SIMD対応で、1コア当たり256本の浮動小数点レジスタを備えており、コア内部でハードウェアの同期処理を実行可能だ。
改良後、京に内蔵されたCPU数は6万8544個から8万8128個に増加、コア数も54万8352個から70万5024個に増え、864台の計算機で構成される。「Tofu」と呼ばれるインターコネクトのトポロジ構造は6次元のメッシュ/トーラスで、5Gバイト/秒の転送速度を実現する。理論演算速度は11.28PFLOPSに達し、実行効率は従来より0.2%増の93.2%。
富士通によると、改良後の京は2012年に運用を始めるという。