2011年11月14日-11月18日
トップ  > 科学技術ニュース>  2011年11月14日-11月18日 >  有人宇宙飛行計画 中国「米ロとは依然隔たり」

有人宇宙飛行計画 中国「米ロとは依然隔たり」

2011年11月18日

 中国有人宇宙飛行プロジェクト弁公室の王兆耀副主任(副室長)は18日の記者会見で、今月初めに行われた無人宇宙船「神舟8号」と宇宙実験室「天宮1号」とのドッキング成功について、「ドッキング実験を成功させたからといって、中国の有人宇宙飛行技術が成熟したとはいえない」と語り、米国やロシアとは依然として大きな隔たりがあるとの見方を示した。

 王副主任によると、中国政府は1992年に有人宇宙飛行プロジェクトに関する3段階の発展戦略を打ち出して以降、無人宇宙船「神舟1号」から「神舟4号」、有人宇宙船「神舟5号」「神舟6号」を相次いで打ち上げ、有人宇宙船の帰還技術を獲得。「神舟7号」の有人飛行任務では、宇宙飛行士の船外活動に必要となるコア技術を獲得した。「今回の天宮1号と神舟8号とのドッキング成功は、中国が宇宙でのドッキング技術で大きく前進し、有人宇宙飛行を支える3つの基礎技術を獲得したことを示している。こうした基礎技術の獲得は、宇宙ステーション建設や大規模な宇宙利用に向けた地ならしとなる」

 王副主任は「有人宇宙飛行技術の分野は非常に多岐に渡り、技術的な課題が依然として多いため、中国の有人宇宙飛行技術がすでに成熟したとはまだいえない。有人宇宙飛行プロジェクトに関する3段階の発展戦略を実現するには、多種多様なコア技術の獲得が今後も求められる」と指摘。「40年以上前に有人飛行の各種基礎技術を獲得し、宇宙実験室と宇宙ステーションの建設に乗り出した米国やロシアと比べると、なお大きな隔たりがある」「国際宇宙の構図は徐々に形作られたもので、1回や2回の実験成功でこの構図が変化することはない」との見方を示した。

※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます