2011年11月28日-11月30日
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中国大陸部初の原発、20年間にわたり安全運行

2011年11月29日

 中国核工業集団公司(中核集団)は北京でこのほど、中国大陸部で初めて建設された原子力発電所、秦山原発の安全運行20周年を記念する座談会を開いた。人民網が28日に伝えた。

 「国家の光栄」とも呼ばれる秦山原発は中国が自主設計、自主建造し、自主運営、自主管理する初の原発であり、1981年11月に国から建設を認可され、1985年3月20日に着工、1991年12月15日に発電を開始した。中核集団が全額出資する持株会社であり、秦山核電有限公司が運行管理を担当している。

 この20年間、秦山原発では原子力事故、環境に影響を及ぼす事件などが一切発生しておらず、環境放射能モニタリング指標はバックグラウンド値のレベルを維持している。2011年10月末の時点で、秦山原発の発電量は累計405億キロワット時に達し、標準石炭換算で1600万トン分以上を節約したほか、二酸化炭素約4000万トン分、二酸化硫黄約120万トン分の排出を削減した。納税額は20億元に達し、良好な経済効果、社会効果、環境効果をあげている。秦山原発の運行性能指標の多くは世界の商用原発のうち中レベルに達し、一部の指標は世界先進レベルに達している。

 秦山原発はこの20年間、年平均約130項目以上の技術改良を行っており、13項目は国家級科技進歩賞を受賞した。うち、国家科技進歩特等賞は1項目、国家科技進歩二等賞は4項目。このほか、同原発は従来の運行方式に改良を加え、発電量を設計時よりも年1.2億キロワット時あまり向上させることに成功した。

 中国では現在すでに浙江省秦山原発のほか、広東省大亜湾原発、江蘇省田湾原発の3つの原発基地が完成。14基の原発ユニットが稼動中で、設備容量は1188万キロワット、発電量は全国の発電総量の2%前後を占めている。

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