2011年12月05日-12月09日
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国際熱核融合実験炉、中国製「超伝導導体」を採用

2011年12月05日

 中国科学院合肥物質科学研究院は4日、国際熱核融合実験炉(ITER)計画で使用する中国製「ITER用トロイダル磁場(TF)超伝導導体」がすでに輸送されたことを明らかにした。「人民日報」海外版が伝えた。

 全長780メートルのITER用TF導体は中国がITERに納入する初の本格的製品で、ITERの建造に用いられる。中国がITER計画の全ての参加国に先駆けて完成した初の製品であり、この分野で中国が最も進んでいることを意味する。

 専門家はこれによって核融合関連技術の開発と今後の中国独自の融合炉建造の土台が築かれたと指摘する。

 本島修ITER機構長は「中国による大きな貢献であり、ITERの成功に向けた大きな一歩だ。これによってITERの完成という最終目標の実現が速まる。中国はすでに先頭に立つ立場にある」と述べ、これを高く評価している。

 中国科学院プラズマ研究所の李建剛所長は「中国はITER導体の製造において100%国産化を実現した。これはITER参加7カ国中、わが国と日本しか達成していない。さらに重要なことに、ITER導体を担当した6カ国のうち、中国は全試験サンプルが厳しい国際検証を1回で通過した唯一の国であり、かつ製品の性能が一際優れ、6カ国の前列に立っていることだ。わが国の関連企業もこの過程で急速な発展を遂げた」と説明する。

 ITER計画は米国やフランスが1980年代中頃に提唱。世界初の熱核融合実験炉を建造し、膨大なクリーンエネルギーの生産を可能にすることを目指している。中国は参加7カ国の1つで、ITER装置の調達の10%を担っている。

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