2011年12月05日-12月09日
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医療用マスクのPM2.5吸入防止効果、期待できず

2011年12月08日

 濃霧による大気の質低下の影響で、淘宝網ではマスクが一日3万枚売れている。しかし専門家によると、医療用使い捨てマスクであっても、「PM2.5(粒径2.5μm以下の浮遊状物質)」の吸入防止効果は限られており、まして機能性を度外視したファッションマスクは言うまでもないという。メーカーが生産しているマスクは実際、どれだけの効果があるのだろうか?メーカーは、商品の宣伝ばかりではなく、実験室での測定結果をまず明らかにすべきであろう。

 北京市医療器械検験所開放実験室は6日、バイオケミカル実験室や医療用放射線治療製品測定実験室など、国際水準を満たすいくつかの実験室を新しく立ち上げた。ここには、密着性能実験室や歯科材料実験室など、市民の日常生活に密接に関わる実験室もある。しかし、同検験所は今のところ、企業や政府関連部門から検測を委託されているにとどまり、一般には開放されていない。

 マスクを買い求める市民は最近増える一方で、淘宝網は北京市民に一日2万枚のマスクを売っている。しかし、どんなマスクを選べばよいのかとなると、マスクの使用者や使用目的によって入手すべきマスクも異なってくる。市医療器械検験所設備部の宋連友・副主任は「硬質素材のマスクは、粉塵が多く発生する鉱山区やセメント工場での使用に適しており、マスクの形は様々で、使用者に合ったタイプを選ぶ必要がある。浮遊状物質の吸入を防ぐためにマスクをつけるのなら、使い捨て医療用マスクが適している。医療用マスクは主に、PM3(粒径3μm以下の浮遊状物質)以上の浮遊状物質の吸入を防ぐ効果はあるが、PM2.5以下のものに対する効果はやや薄れる。敏感な人は濃霧の日に医療用マスクを付けると良い」と話した。また、マスクの吸入防止効果には限りがあり、最大の効果は保温という。

 宋副主任は、密着性もマスクの効果に影響を及ぼすと指摘した。検験所のマスク密着性能実験室には、硬質素材マスク、一般的な綿素材マスク、医療用マスク、ファッションタイプのマスクの4種類のマスクがある。実験時、作業スタッフはこれらのマスクを付け、ランニングマシン上で通常歩行、速歩、ランニング、ジョギングなどを行い、マスクの密着性をテストした。

 このほか、検験所には、歯科材料実験室や注射器性能実験室など国際水準を満たす新しい実験室がいくつか誕生し、実験室の総数は100室以上となった。市薬品監督管理局の盧愛麗・副局長は「新しく設けられた国際先端レベルの医療機器専門実験室は、中国の医療器械検査が国際化へ一歩踏み出すことを後押しするものであり、北京市民による医療器械の安全な使用を保障する上で強力な助っ人となるだろう」とコメントした。

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