2011年12月05日-12月09日
トップ  > 科学技術ニュース>  2011年12月05日-12月09日 >  中国、大気汚染基準改正に向け公開ヒアリング調査

中国、大気汚染基準改正に向け公開ヒアリング調査

2011年12月09日

 ここ数日、中国のいくつかの都市がスモッグに覆われる日が連日続き、日の目も全く見えないという状況に悩まされているが、一方中国環境保護部の大気測定データはというと、空気の状況が良好であることを示している。そのため市民らの間で、測定の信頼性に対する疑念が高まり、同部は11月16日から今月5日まで、大気汚染基準改正に向けた新たな「環境空気品質基準」に関する第2次公開ヒアリング調査を実施。7日の同部への取材では、直径2・5マイクロメートル以下の微小粒子状物質「PM2・5」を測定項目に追加することに賛成という意見が圧倒的に多かったことが明らかになった。中国国営の「新華社通信」(電子版)が報じた。

 同部の科学技術司(局)関連の担当者によると、先月16日に公表された前出基準、および「環境空気質量指数(AQI)日報技術規定」(第3次ヒアリング草案)は、市民や専門家など社会各界およびメディアの大きな反響を呼び、多くの建設的な意見が寄せられた。

 同ヒアリング調査の締切日となった5日24時の時点で、メールやファックス、書簡などの形式で1500通余りの各種意見が寄せられた。以下はその主な内容。▽「PM2・5」を測定項目に追加するとする新たな基準に賛成▽各地域の実際の状況に基づいて実施時期を定めるべきで、大気汚染の深刻な地域や実行条件がすでに整っている地域は同基準の実施期日とされている2016年1月1日より前に実施を開始すべき▽地域や等級ごとに、一部の汚染物質濃度上限の基準をさらに調整すべき▽同基準実施後、測定を強化し、データをリアルタイムで公表し、市民が大気の状態を知れるようにするべき▽同基準実施後、政府や企業、組織、市民などは、各自の職責や義務に基づき、大気の質改善に向け一致団結して努力するべき--。

 同担当者は「今後、経済発展方式の移行や最適化を促進させるという根本的な要求に基づき、国家の社会・経済発展水準と照らし合わせながら、各方面の意見アドバイスを取り入れ、基準草案を整備し、一日も早く正式な基準を公表できるよう、同部は真剣に職務を遂行する」と述べた。

※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます