2011年12月26日-12月30日
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今年の中国国防科技工業10大ニュース 空母の試験航行など

2011年12月26日

 中国国家国防科技工業局は25日、2011年度中国国防科技工業10大ニュースを発表し、▽中国初の空母の試験航行▽中国初のランデブー・ドッキング成功▽月探査衛星「嫦娥2号」の追加実験成功▽深海技術における飛躍--などが選ばれた。中国新聞網が25日に伝えた。

 今年の中国国防科技工業10大ニュースは以下の通り(日付順)

 ●中航工業集団と米ゼネラルエレクトリック(GE)傘下の航空グループがシカゴで1月、中国航空工業史上最大規模となる合弁プロジェクトに署名。

 ●中国、福島原発事故による核危機に迅速に対応。

 東日本大震災とそれに伴う津波による福島原子力発電所事故が発生した後、中国はただちに国家核緊急時対応システムを始動した。国防科工局を筆頭とする国家核事故応急協調委員会が組織され、環境放射線のモニタリング・警報と重点地区のモニタリングが強化され、権威性・指導性のある的確な情報が毎日発表された。

 ●中国初となる軍需産業集団の董事会が設立。

 中国兵器装備集団は4月中旬、董事会(理事会)の設立を宣言した。軍需産業集団が董事会を設立したのはこれが初となり、軍需産業集団の近代的な企業制度確立、法人管理構造の改善業務が新たな段階に入ったことが示された。

 ●中国、深海技術で新たな飛躍。

 5月下旬、中国が自主設計・製造した第6世代の3千メートル級深水半潜水型石油掘削プラットフォーム「海洋石油981」の使用がスタートし、中国の深海オイルガス資源の探査及び開発能力、大規模な海洋工学設備建造能力が世界トップクラスの仲間入りを果たした。また、7月には中国が自主開発した初の有人潜水艇「蛟龍号」が水深5千メートル級の潜水試験に成功、最大深度は5188メートルに達し、中国の有人潜水記録を塗り替えた。

 ●中国初の空母、試験航行を実施。

 中国初の空母は改造工事の進展に伴い、8月と11月に2度にわたる試験航行を行った。

 ●月探査衛星「嫦娥2号」、追加実験を完了。

 月探査衛星「嫦娥2号」は設計寿命に達した後、▽月の南北両極の画像取得▽月面・虹湾地区の撮影▽太陽-地球ラグランジュ2へ到達し、観測を行う--という3つの追加実験を完了した。

 「嫦娥2号」は8月下旬、月周回軌道を離れ、地球から約170万キロメートル離れたラグランジュ2を周回する軌道に到達し、観測を開始した。 

 ●中国、初のランデブー・ドッキングに成功。

 中国は9月下旬?11月中旬にかけてドッキング目標機「天宮1号」と宇宙船「神舟8号」を打上げ、▽宇宙でのランデブー・ドッキング▽結合体の飛行▽分離・帰還--という多くの重大実験任務を行い、成功を収めた。これにより、中国は独自のドッキング技術を掌握する世界で3番目の国となった。

 ●中国の軍需産業、創立80周年を迎える。

 中国は10月下旬、軍需産業の創立80周年記念大会を開催し、胡錦濤国家主席が書簡の中で祝賀の意を示した。

 ●衛星測位システム「北斗」、基本システムが完成。

 12月初め、中国は衛星測位システム「北斗」の10基目となる衛星を打ち上げた。これにより「北斗」の基本システムが完成し、中国および周辺の一部地域にポジショニング、ナビゲーション、時刻配信などのサービスを提供する条件が整った。

 ●軍需企業が「平安都市」の建設に参加。

 中国航天科工、中国電科などの軍需企業は技術的メリットを発揮し、「平安都市」の建設に積極的に参加している。

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