2011年12月26日-12月30日
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衛星測位システム「北斗」、試験運用が開始

2011年12月28日

 国務院新聞弁公室は27日、衛星測位システム「北斗」の試験運用に関する記者会見を開いた。北斗システムの冉承其報道官(中国衛星測位システム管理弁公室主任)は、北斗システムが本日より試験的なサービス提供を開始したことを明らかにした。中国新聞網が伝えた。

 冉報道官によると、このほど行われたシステムテストの結果に基づき、北斗システムの試験運用期間中の主なサービス対象範囲は東経84-160度、南緯55度-北緯55度の大部分の地域となる。同システムの測位精度は水平方向25メートル、高さ方向30メートルで、速度精度は0.4メートル/秒、時間精度は50ナノ秒。

 北斗システムの正式なサービス開始時期について冉報道官は「北斗システムはまだ完成しておらず、来年10月に『3段階』発展計画の第2段階が完成する予定だ。現在は衛星数が10基であるため、試験的なサービス提供となる」とした。

 冉報道官はまた、「システムテストと評価の結果、中国はすでに25メートル前後の測位精度を備えていることがわかった。来年末までにシステムが基本的に完成し、正式なサービスがスタートすれば、精度は10メートル前後に達する」、「今後衛星の数が増え、システムの安定性が高まり、対応する地上端末の開発が進むに従い、製品の信頼性、コスト低減、運用推進などが大きく後押しされる。北斗はより信頼でき、質の高いサービスを提供できるようになるだろう」と語った。

 計画によると、2012年には6基の衛星打ち上げが予定されており、北斗システムのサービス範囲と性能が向上し、アジア太平洋の大部分がサービス対象範囲となる見込み。

 資料写真:中国は西昌衛星発射センターで北京時間6月2日午後11時53分、衛星測位システム「北斗」の4基目の衛星を搭載したロケット「長征3号丙」の打上げに成功した。これにより、北斗システムの建設は重要な一歩を踏み出した。

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