2011年12月26日-12月30日
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衛星測位システム「北斗」、2020年には全世界をカバー

2011年12月28日

 国務院新聞弁公室は27日、衛星測位システム「北斗」の運用に関する記者会見を開いた。北斗システムの冉承其報道官(中国衛星測位システム管理弁公室主任)は、「北斗」システムのサービス対象地域が2020年ごろまでに全世界をカバーする見通しであることを明らかにした。中国新聞網が伝えた。

 北斗衛星測位システムは中国が自主開発・独自運行し、かつ世界の他の衛星測位システムとも互換性を持つ衛星測位システム。将来的には全世界を対象に高精度で信頼性の高い測位・ナビゲーション・時刻配信サービスを提供するほか、ショートメッセージによる通信サービス能力も備えている。

中国は「品質、安全、応用、利益」という要求と、「独立的、開放的、互換性、段階的な進歩」という原則に基づき、「3段階」の発展戦略に従って北斗システム建設を推進している。「3段階」の発展戦略とは以下の通り。

 第1段階:2000年に北斗衛星測位テストシステムを建設し、中国が独自の衛星測位システムを有する世界で3番目の国となる。

 第2段階:2012年までにアジア太平洋の大部分の地域をカバーできる北斗衛星測位システムを建設する。

 第3段階:2020年頃までに全世界をカバーできる北斗衛星測位システムの完成を目指す。

 冉報道官によると、北斗システムは現在までに10基の衛星を打上げ、基本システムが完成した。これまでの北斗衛星測位テストシステムによる測位サービス・ショートメッセージ通信サービスのほか、本日より中国と周辺地域に対してナビゲーション・測位・時刻配信サービスを提供していく。

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