2012年02月06日-02月10日
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中国、最高解像度の全月面の画像を発表

2012年02月07日

 国家国防科技工業局は6日、月探査プロジェクトで打ち上げた月面探査機「嫦娥2号」が撮影した解像度7メートルの全月面の画像を発表した(画像は月の正射投影法による図。新華社が発表)。これまで世界で発表された月の画像の中で最も解像度が高く、中国の月探査プロジェクトがまた一つ重大な科学技術的成果を挙げたことを示している。人民日報が7日に伝えた。

 嫦娥1号が撮影した解像度120メートルの全月面の画像に比べ、今回の画像は解像度が7メートルで17倍に向上した。完成した部分画像は746枚あり、データ総量は800ギガバイト(GB)を超える。8万分の1の縮小率ですべてを印刷し、つなぎ合わせたとすると、全体の大きさはサッカー場ほどになる。このほか、科学技術担当者が解像度50メートルの部分画像と全月面のデータとを合成した画像、および全月面の3D立体画像を完成させている。

 月探査プロジェクトの科学応用部門のチーフサイエンティストであり、中国科学院(科学アカデミー)国家天文台の台長を務める厳俊研究員によると、世界には解像度が7メートルを上回る月の画像はあるが、月の一部分に限られる。全月面の画像もあるが、解像度は7メートルの水準に及ばない。嫦娥2号が撮影した解像度7メートルの全月面の画像は、現時点では最もはっきりとした月の全体像だと言っても過言ではない。

 高解像度の月全面の画像は月の科学研究における最も基礎的な資料だ。月の物質的特性、月の地質的構造、月表面の物質成分の含有量を研究し、月の起源や進化、変化を探る上で、直接的な科学的価値をもつものであり、重要な参考資料になるものといえる。

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