中国月探査プロジェクト地上応用システムの総設計士を務める李春氏はこのほど、記者の取材に対し、月探査衛星「嫦娥3号」が月面着陸を行う予定地を数カ所選定すると明らかにした。候補とされている着陸予定地の虹湾地区は、高解像度のデータをもとにさらなる分析や検証を行い、最終的な判断を下す必要があるという。中国紙、北京晨報が伝えた。
「嫦娥3号」が月面着陸を行う候補地を選定するため、「嫦娥2号」から虹湾地区の画像を1.5メートルという高解像度で撮影。「嫦娥2号」が撮影した虹湾地区の地面は、予想以上にでこぼこしており、直径数メートルひいては数十メートルのクレーターが散在していた。小さな石も散らばっており、大部分がクレーターの底部や壁面、縁に分布している。
李氏は虹湾地区について、「月面のその他の地域と比べると平坦な方だが、月面着陸には地面が極めて平坦であることが求められ、なおリスクが伴う」と説明した。着陸予定地の選定については「高解像度のデータをもとにさらなる分析や検証を行い、最終的な判断を下す必要性を指摘、「打ち上げ予定時間帯などの要因によって着陸地点の位置が変化するため、複数の候補地を用意しておく必要がある」とした。