2012年03月12日-03月16日
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中国、衛星レーザー通信の新技術を開発

2012年03月13日

 海洋観測衛星「海洋二号」がこのほど正式に引き渡され、衛星に搭載されたレーザー通信端末を使った中国初の衛星レーザー通信データ伝送試験に成功した。これにより中国初の高精度・高安定度の双方向データ伝送、および全線安定フォローが実現され、通信速度が504Mbpsまで向上した。同試験の成功により、中国の宇宙高速データ伝送という宇宙ハイテク分野が、世界トップ水準に達したことが示された。科技日報が11日に報じた。

 衛星レーザー通信の難題を解決したのは、ハルピン工業大学の「教授夫妻」、馬晶氏と譚立英氏だ。両氏の情報によると、莫大な情報伝送能力を持つ同新技術は、宇宙で不可欠な情報化インフラとなり、今後のさまざまな応用に期待がかかる。

 馬氏は、「同技術は衛星高速リアルタイム通信網を構築する上で基礎を成す。現在、中国の衛星が情報を取得しても、地上ですぐに情報をキャッチすることができず、衛星が地面の受信ステーションを通過するまで待たなければならない」と述べた。衛星高速通信網は、衛星の間に「ワイヤレス光ファイバー」を敷設し、多くの衛星を結びつけ網を形成し、中継衛星を中間駅とすることで、衛星の入手したデータをいつでも地上に送信することができる。

 情報によると、既存の衛星マイクロ波通信技術の通信速度は20Mbpsのみで、高速通信の需要を満たすことができない。今回の新技術は通信速度が数十倍に達し、かつ遠距離通信を可能とし、電磁波を防止し機密性が高い等の特長を持つ。

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