2012年03月19日-03月23日
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華中農業大学 オレンジの全ゲノムマップを作成

2012年03月22日

 華中農業大学は21日、同校の研究者が1年あまりをかけ、中国産オレンジ(甜橙)の全ゲノムマップを作成したことを明らかにした。中国が独自に果樹作物のゲノムマップを作成したのはこれが初となる。この研究成果は、中国における柑橘の品種改良を加速し、柑橘品種の多くを輸入に依存してきた状況を打開し、中国の柑橘産業の競争力向上に向け重要な役割を果たす。人民日報が22日に報じた。

 柑橘は栽培面積と収穫量が世界最大の果物だ。中国は世界で最も重要な柑橘の原生地であるとともに、世界一の収穫量を誇る。2010年、中国における柑橘の総収穫量は2645万トン、栽培面積は221万ヘクタールに達した。しかし、基礎研究が不足しているため、中国で栽培されている柑橘約80品種のうち、4割以上は海外から導入した品種で、総収穫量の半分以上を海外から導入した品種が占めている。

 オレンジは9対の染色体を持ち、それぞれの染色体は、異なる機能を持つ遺伝子が一定の序列で組み合わさって構成されている。華中農業大学のトウ秀新校長(中国工程院院士)と、ゲノム研究分野で世界的に有名な阮一駿教授(「千人計画」学者)らは共同でこの難題に取り組み、最終的にオレンジの全ゲノムを解読した。

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