2012年03月19日-03月23日
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中国宇宙飛行事業 ハイアールと提携して宇宙用冷蔵庫開発へ

2012年03月23日

 中国航天員(宇宙飛行士)科学研究訓練センターは21日、中国の家電大手「海爾集団(ハイアール・グループ)」と上海で技術提携合意書に調印。今後協力して、宇宙飛行用冷蔵庫の研究・開発を進める計画だ。これにより、ハイアールは世界初の同製品の自主研究・開発能力を有する家電メーカーとなる。中国国営の通信社「中国新聞社」(電子版)が報じた。

 同調印式は、上海で20日から23日まで開催されている「第11回中国家電博覧会」において盛大に開催。両者は、次世代宇宙用冷蔵庫を研究・開発することで、中国の宇宙飛行事業をサポートしたい考え。

 ハイアールは2006年より、同製品の研究・開発に取り組んでおり、中国では初となる、自主開発宇宙用冷蔵庫を11年10月31日に打ち上げられた無人宇宙船「神舟八号」に積み込んだ。そして、関連機構の観測を経て、宇宙でも正常に機能していることが確認されている。ハイアール製の同製品誕生は、中国の宇宙飛行事業の同分野の空白を埋める重要な一歩となり、中国を米国やロシアに継ぐ、同製品の開発技術を掌握した国家に伸し上げた。このように過去5年の間に確実な実績を残してきたことが、今回の提携に結び付いた。

 同訓練センターの白延強副主任は、「宇宙の環境や宇宙船の運行は特殊なため、宇宙用冷蔵庫は重量や体積、電力消費、構造などの面で極めて高い技術が求められる。どんな些細な点でも、宇宙船の安全性に影響を及ぼす可能性もある。世界レベルの大型家電企業であるハイアールは技術や研究、開発、商品の品質管理など多くの分野で世界トップクラスの技術を誇り、我々の協力者として最適」と語った。

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