2012年03月26日-03月30日
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欧州特許庁、中国からの特許出願件数が1万6900件に

2012年03月28日

 欧州特許庁がこのほど発表した年度報告書によると、同庁が2011年に受け付けた特許出願件数は計24万件以上に達し、過去最多を記録した。特許出願件数の上位5カ国は、米国、日本、ドイツ、中国、韓国となった。中国の出願件数は、前年比33%増の1万6900件に達した。環球時報が27日報じた。

 仏AFPは25日、「欧州特許庁(本庁はミュンヘン)の年度報告書によると、2011年の特許出願件数は前年比4%増となり、過去34年間で最多を記録した。うち米国の出願件数が最多の5万9600件に達し、全体の24.4%を占めた。日本は4万7000件、ドイツは3万3000件、中国は1万6900件(全体の6.9%)に達した」と報じた。中国の同庁に対する特許出願件数は、2000年の時点では160件のみであった。同庁のバティステリ長官は、「アジア企業の国際化、中国経済の高度成長に伴い、アジア企業の欧州における特許出願件数の比率が高まりつつある」と述べた。

 企業ランキングを見ると、シーメンスが2235件で1位となった。中国企業の華為(Huawei)は740件で17位、中興通訊(ZTE)は400件で43位となった。特許出願通過率に関しては、中国と先進国の間に開きがある。米国・日本・ドイツの出願通過率は約25%に達しているが、中国企業の1万6900件の出願のうち、批准された出願は515件のみで、通過率が3%にとどまった。

 バティステリ長官は、「2008年に金融危機が発生した際、当局の受領した特許出願数が激減した。現在も危機が依然として続いているが、特許出願件数が過去最多を記録した」と述べた。AFPは、「これは企業がイノベーションを最重視し、研究開発への投資を積極的に行なっているため」と分析した。特許はまた、世界の技術メーカーが競合を繰り広げる場となりつつある。インターネット大手のYahoo!は3月、フェイスブックが10件の特許権を侵害していると提訴した。アップルは世界各地で、サムスンと特許権を巡る争議を展開してる。バティステリ長官は、「特許出願は、企業が自社技術を保護するための、最も効果的な手段である」と語った。

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