2012年04月09日-04月13日
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「中国巻きタバコの研究」、科技賞ノミネートに反対の声

2012年04月09日

 「中国式巻きタバコ」に関する研究が今年の「国家科学技術進歩賞」にノミネートされたことで、社会から注目が集まっている。中国の科学関係ポータルサイトである科学網は8日、編集部の名義で「巻きタバコ関連技術の科技賞入選への反対署名募集」と題する文章を発表、署名を通じ、タバコの関連技術を各科学技術賞に応募することを禁止するよう国に働きかけるべきと建議した。

 文章は「社会的良識と科学的責任感を持つ科学者および専門家」に対し、「国民の健康のため、巻きタバコ技術の各種科学技術賞へのノミネートに反対する署名活動への参加」を呼びかけた。同文章はまた、「『国家科学技術奨励条例実施細則』では、『受賞する研究成果は、その応用が国の利益、社会の安全、国民の健康を害するものであってはならない』と規定されている。今回ノミネートされた中国式タバコの研究目的は、味を改善するなどを通じていわゆる中国式巻きタバコの消費を促進し、巻きタバコの流行を推進することが目的であり、国民の健康を深刻に害するものだ」と指摘している。

 科学網の責任者は「ネット上での署名活動のほか、鐘南山氏、秦伯益氏ら専門家数十人による公開書簡を作成する予定だ。国の関連部門に対して、社会的責任を真摯に履行し、より高度なレベルから国民の健康に関心を持つよう呼びかけていきたい」とした。

 科技部国家科学技術奨励工作弁公室は3月22日、第67号公告を発表し、今年の国家自然科学賞、国家技術発明賞、国家科学技術進歩賞の受理項目リストを発表した。うち、工業情報化部傘下の国家タバコ専売局が推薦する「中国式巻きタバコの特性理論体系の構築及び応用」という研究がリストに含まれていたことから、禁煙を推進する専門家から疑問の声が上がっていた。

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