2012年04月09日-04月13日
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スーパーイネ、1ムーあたり収穫量1トンの目標に挑戦へ

2012年04月10日

 スーパーハイブリッドイネは昨年、大規模栽培において1ムーあたりの収穫量926キロを実現し、4年前倒しで第3期の目標(1ムーあたり900キロ)を達成した。「中国ハイブリッドイネの父」である袁隆平院士率いる研究チームは今春、第4期の目標である大規模栽培での1ムーあたり収穫量1千キロ突破に向けたプロジェクトを始動した。長沙晩報が10日に報じた。

 海南省三亜にある国家ハイブリッドイネ研究センターの新品種試験田では、第4期プロジェクトに挑戦するイネの候補たちがすでに栽培されている。20日後に収穫が行われ、収穫量が1位、2位、3位の品種が発表される予定だ。袁院士は研究チームを率いて毎日「候補者」たちの生長を観察している。齢80を超える偉大な科学者・袁院士の最大の願いは、90歳になる前に1ムーあたり収穫量1千キロ突破の目標を達成することだ。

 三亜の試験田で栽培中の候補品種にはそれぞれ特徴がある。中でも新品種である「広占63S/1128」は、中国のインディカ種2種、中国のジャポニカ種1種、米国品種1種の計4種のイネを掛け合わせた優良品種で、 一本の穂に最高で500粒の米が実る。1千粒あたりの重さは32グラムと、普通のイネよりも7グラム以上重く、結実率は90%以上、1ムーあたりの稲穂は約15万本に達し、まさに「小さな巨人」と言える。これまでの栽培試験では最高で1ムーあたり収穫量960キロを達成しており、今回の三亜の試験田では1050キロに達すると予測されている。

 袁院士によると、1ムーあたり収穫量1千キロ突破に向けたロードマップはすでに確定しており、今年は大規模栽培での1ムーあたり収穫量が950キロを突破、3年以内に980キロを突破し、向こう5年をめどに1000キロの大台を突破する構えだ。

 袁院士は現在、全国の生物・遺伝学専門家を三亜基地に招き、武漢大学や江蘇農業科学院などの有名研究所・大学と提携して難関に取り組んでいる。スーパーイネの能力を高めるべく、バイオ分子技術を駆使してトウモロコシや高粱など光合成速度が速い作物の遺伝子を解析しているという。

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