2012年05月01日-05月04日
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レアアースの高効率抽出の研究が始動

2012年05月03日

 「973計画(国家重点基礎研究発展計画)」の重大プロジェクト「レアアース資源の高効率利用とエコ分離の科学基礎」が北京大学で正式に始動した。同プロジェクトはレアアース資源の開発・精製における重要問題に焦点をあて、現在幅広く使用されているレアアース抽出剤P507の基準を上回ることなどを目標に掲げている。科技日報が3日に報じた。

 レアアースは再生不可能な重要資源だ。中国はレアアースの膨大な埋蔵量を誇るが、総合利用率は低く、採掘・製錬のプロセスにおける汚染が深刻で、重要な高純度製品は依然として他国に左右されており、これらの状況が中国レアアース産業の持続的発展に深刻な影響をもたらしている。レアアースの高効率抽出問題は、中国のレアアース産業発展を制約する重大な科学問題となっている。

 同プロジェクトには、▽高効率のレアアース抽出剤の分子設計、合成、性能▽抽出過程における界面分子・イオンの相互作用▽新型高効率抽出設備の設計、シミュレーション▽複雑なカスケード抽出理論およびレアアースのエコ分離の流れ▽レアアース無水ハロゲン化物および金属高純度化プロセスの科学的基礎--などを含む7つの課題が設けられた。

 プロジェクトの主な実施機関は北京大学清華大学中国科学院上海有機化学所、長春応用科学所、東北大学などで、北京大学の厳純華教授が首席科学者を務める。同プロジェクトは実施の過程において重大科学問題に焦点をあて、科学目標を強調し、科技部基礎研究司もプロジェクトの進展に高く注目し、追跡管理を強めていく。

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