米NVIDIA社は3日、ボストンで行われた世界最大のバイオイベント「2012 BIO International Convention」において、世界最大のゲノム研究機関である華大基因がこのほどクラウドコンピューティング・サービスを打ち出し、世界各地の研究者に向け、低コストでの次世代シークエンシング・バイオインフォマティクス解析を提供していることを発表した。人民日報が4日に報じた。
本部を深センに置く華大基因が提供するこのサービスは「Easy Genomics」と呼ばれるもので、提供されたDNAシークエンシングデータの自動解析が主な内容となる。同サービスはNVIDIA社のGPU(グラフィックスの計算処理を行う半導体チップ)を使用しているため、処理にかかる時間がこれまでの数日から数時間に短縮された。
華大基因は現在、このサービスを期間限定で無料開放している。NVIDIA社Tesla GPUコンピューティング担当のスミット・グプタ氏は「コストの低下により、今年は1000ドルでゲノム解析ができるようになる見通しだ。華大基因のサービスはGPUコンピューティングの処理能力を利用し、科学者に向け低価格でシンプルな解析手段を提供した。大規模なゲノムデータの処理問題を簡単に解決できるようになり、低コストのオーダメイド医療実現に向け、人類は新たな一歩を踏み出した」と述べた。