2012年06月01日-06月01日
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宇宙船「神舟9号」、宇宙で温かい食事が可能に

2012年06月05日

 上海航天局(宇宙飛行局)のドッキング機構開発チームと、青少年を対象とした宇宙実験案募集活動で1等賞を獲得した閔行三中の学生らは5月29日、大型テーマ展「都市新印象(2007-2012)」を共に参観した。

 上海航天局によると、有人宇宙船「神舟9号」は6-8月に時機を見て打ち上げられ、宇宙空間でドッキング目標機「天宮1号」との有人ドッキングを行う。宇宙飛行士はドッキング機構を通って「天宮1号」の実験モジュール内に入り、そこで温かい食事をとることもできるという。新民晩報が報じた。

 ▽宇宙飛行士が「天宮1号」の実験モジュールへ

 上海航天局によると、現在同局の「神舟9号実験チーム」はすでに酒泉衛星発射基地に到着し、各業務を進めているという。計画では、「神舟9号」は6-8月に打上げられ、「天宮1号」と有人ドッキングを行う。宇宙飛行士は同局が中心となって開発したドッキング機構を通って「天宮1号」の実験モジュール内へ入ることとなる。

 同局の開発した地球低軌道高圧電源システムも、今回の任務でその実力が試される。電力供給能力の向上により、宇宙飛行士は今回、宇宙で温かい食事がとれる可能性もあるという。過去に打ち上げられた神舟6号の宇宙飛行士は、節電のため冷たい食事しかとれなかった。

 ▽絶滅危惧植物の種子が宇宙に 上海の中学生が提案

 閔行三中は宇宙科学普及教育特色学校だ。2010年10月?2011年2月にかけて全国の青少年を対象に行われた、「天宮1号」宇宙実験案の募集活動において、同校の学生が考案した「天宮1号への絶滅危惧植物種子搭載研究」が全国から寄せられた2956案の中で1等賞を獲得、最終的な搭載案に選ばれた。現在、ハンカチノキ、普陀鵝耳櫪、望天樹、大樹杜鵑の4種類の絶滅危惧植物の種子が「天宮1号」に搭載され、宇宙育種が行われている。

 今回の「神舟9号」の任務において、宇宙飛行士は「天宮1号」に搭載された種を地上に持ち帰る予定。学生たちは宇宙育種を経た種子と普通の種子を共に栽培し、観察・実験・比較を通じて宇宙科学実験を進めていきたいとしている。

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