神舟9号の打ち上げで、多くの人が宇宙への興味をかきたてられた。しかし、神舟9号への期待、憧れの声が寄せられる一方で、噂や誤解も飛び交っている。間違った「神舟9号伝説」について、関連分野の専門家が回答した。人民日報が21日に報じた。
噂その1:
神舟9号打上げの動画の中に、2つの発光体が出現。一部のネットユーザーが「UFOが神舟9号を護衛している!」と騒ぎ立てた。
専門家の観点:発光体は大気光学現象の可能性。
航天科工集団二院の楊宇光研究員は「発光体は大気光学現象、もしくは飛行機などの可能性が高い。もし一部のカメラしかこの発光体を捕らえていないならば、設備的な問題という可能性もある」との見方を示す。
噂その2:
中国初の女性宇宙飛行士・劉洋氏に注目が集まるに伴い、女性宇宙飛行士選抜をめぐる厳しすぎる条件(まるで重箱の隅をつつくような審査、出産経験のある女性でなければならない、虫歯・傷・体臭があってはならないなど)がメディアに取り上げられるようになった。
専門家の観点:出産経験、虫歯・傷の有無などは選抜基準ではない。
宇宙飛行士システム副総設計師の黄偉芬氏は「出産経験があろうとなかろうと、女性宇宙飛行士の任務およびその後の健康になんら影響はない。国外の女性宇宙飛行士の中にも出産経験がある人と無い人がいる」とする。
劉洋飛行士は33歳で既婚だが、子供はいない。有人宇宙飛行プロジェクト弁公室副主任の楊利偉氏は「劉洋氏を含む、最終選抜に残った女性宇宙飛行士候補6人のうち、5人は出産経験が無かった。確かに私はかつて、『出産経験のある人が優先』と提言したことがある。しかしその後、この要求は現実的でないとわかった。なぜなら、30代は飛行士の技術が成熟化に向かう黄金時代であり、この間もし子供を生めば2-3年は任務に参加できず、キャリアに影響するためだ。これも軍人の献身精神の表れと言える」と語る。
「虫歯・傷があってはならない」、「体臭があってはならない」などの噂について、宇宙飛行士選抜訓練研究室主任の呉斌氏は「そこまでの要求はない。我々の要求は、任務に影響せず、外観に影響しないというもので。虫歯1本、傷1つあってはならないというわけではない。もちろん、ひどい虫歯があれば、宇宙で歯痛になった場合処理が困難になる」と語った。