2012年07月09日-07月13日
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成都 中国初の緊急地震速報システムを構築へ

2012年07月13日

 四川省成都市の防震減災局が12日に明らかにしたところによると、成都市地震速報システムの構築がこのほど正式に始動した。成都ハイテク減災研究所が速報システムのコア技術を提供する。中国の都市で地震速報システムが構築されるのはこれが初となる。四川在線が報じた。

 地震速報システムは、密集した地震速報ネットワークを通じ、地震の発生から破壊的な地震波が到達するまでの間に、地震波よりも速い電波を利用して、揺れの数秒―数十秒前に緊急速報を発表するというもの。

 四川大地震の後、成都ハイテク減災研究所は四川大地震の余震域に徐々に速報実験ネットワークを設置してきた。成都市防震減災局地震モニタリングセンター副主任の鄭松林氏によると、速報システムはすでに実験段階から実用に向け転換しつつある。

 成都市の防震減災計画によると、同システムの構築は以下の3段階に分けて進められる。

 ・第1段階は、技術の成熟。一連の検証を通じ、地震速報技術をより成熟させる。誤って速報が発された場合、深刻な影響が出るため。

 ・第2段階は、都市の重要地点(高速交通システムなど)での試行を段階的に行い、関連の法律法規確立に役立てる。

 ・第3段階は、一般への普及。

 鄭副主任によると、現在はまだ第1段階にあるという。

 これらの計画が実現すれば、成都市は初歩的な地震速報能力を備えることとなる。システムが完成すれば、最高で地震波到達の20秒前に緊急地震速報を発することができる。速報は、関連アプリをインストールしたスマートフォン、テレビのほか、ショッピングモール・学校など人の密集する場所でただちに発表される。さらに自動制御システムにより速報が伝達され、地下鉄・高速鉄道などの交通システムは事前に停止する。

 成都市防震減災局の責任者は「成都の地震速報システムが完成すれば、中国は日本、メキシコに続き地震速報システムを有する3番目の国となる」と語る。

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