2012年07月16日-07月20日
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有人潜水艇「蛟竜号」、来年南中国海で潜水へ

2012年07月16日

 有人潜水艇「蛟竜号」の潜水試験終了に伴い、次なる利用が注目を集めている。「蛟竜号」7千メートル級潜水試験現場指揮部総指揮の劉峰氏によると、「蛟竜号」は来年4-5月にかけて、南中国海で潜水を行う計画だ。科技日報が報じた。

 劉総指揮は「地球科学や人類の起源を研究する上で、深海は今や突破口となっており、深海の情報を得られないことは、世界最先端の研究を制約するボトルネックとなる。蛟竜号は他の潜水設備よりも典型的な調査研究に優れている。来年は1-2人の科学者が海底に潜り、観察とサンプル採取を行う」としたほか、「蛟竜号が試験的利用段階に入った後、初の潜水地点は南中国海となる予定だ。母国に近いため、問題があってもすぐに陸地からサポートが得られる」と述べた。

 試験的利用は3-4年間続き、任務は簡単でやさしいものから複雑で難しいものへと徐々に進めていくという。これは、1つには母船「向陽紅04」の条件が整っておらず、海況を見ながらの作業となり、効率が低いため。また、潜水艇は地形の複雑な「石林」の間を縫って進まなければならず、高い操縦技術が求められるためだ。3年間の訓練の間に、新たな母船も建造される予定で、その後本格的な利用を開始する。

 蛟竜号は南中国海での潜水を終えた後、来年下半期には南西インド洋の熱水硫化物区で作業を行う予定。さらには東太平洋での多金属団塊の調査や、東太平洋熱水硫化物区での潜水活動なども計画されている。1年間の総作業日数は約150日間。

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