2012年07月16日-07月20日
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中国のネットユーザー、5億3800万人に

2012年07月20日

 中国インターネット情報センター(CNNIC)は19日、「第30次中国インターネット発展状況統計報告」を発表した。同報告によると、今年6月末現在、中国のネットユーザーは5億3800万人に達し、インターネット普及率は39.9%となった。モバイルネットユーザーは3億8800万人に達し、モバイル端末が初めてデスクトップを超えて最大のインターネット接続端末となり、中国インターネット発展の新たなすう勢を示した。人民日報が報じた。

 ▽ネットユーザー、中高年層へと拡大

 報告によると今年6月末現在、中国のネットユーザーは5億3800万人に達したが、増加率は1.6%で、近年最低となった。

 低学歴者層へのネットユーザー拡大が2012年上半期も続いており、うち、中卒層の増加率が顕著だった。一方、大卒以上のネットユーザーはほぼ飽和状態に達しており、増加の余地が少ない。

 ネットユーザーはこのほか、中高年層へも拡大しつつあり、40歳以上の割合は2011年末比1.5ポイント増と、徐々に高まっている。一方、その他の年齢層の割合は比較的安定又はやや下降している。

 新規増加したネットユーザーのうち、農村住民が絶対数で都市住民を上回った。農村ネットユーザー規模は1億4600万人で、昨年末よりもやや増加した。

 ▽モバイルネットユーザーがネットユーザー全体の72.2%

 報告によると、今年上半期、モバイル端末からインターネットに接続したネットユーザーは3億8800万人にのぼり、ネットユーザー全体に占める割合は72.2%に達した。モバイル端末はネットユーザーにとって最大のインターネット接続端末となった。これまでトップの座に君臨していたデスクトップパソコンの割合は70.7%に下がった。

 インターネットアナリストの譚光柱氏は、「モバイルネットユーザー増加の重要な原因の1つとして、モバイル端末価格の下落が挙げられる。1千元(約1万2千円)前後のスマートフォンが大量に発売されたことで、スマート端末の使用が拡大し、従来の携帯ユーザーがモバイルネットユーザーへと転化した」と語る。

 CNNICの劉氷副主任は「モバイル端末は流動人口の多い農村の特徴に合致する。このため、モバイル端末からのネット接続は、農村地区でのインターネット普及において、より現実的な方法」と語る。

 ▽モバイルネットユーザーの増加で、各サービスの利用者も増加

 報告によると、ネット動画の全体的なユーザー規模は安定増加しているのに対し、モバイル端末からのネット動画ユーザーは急激な増加を見せている。モバイル端末からのネット動画ユーザーが、モバイルネットユーザーに占める割合は2011年末の22.5%から27.7%に上昇、すでに1億人を突破している。モバイル端末でオンライン動画を見る習慣が徐々に形成されていることが伺える。

 また、今年6月末、微博(ミニブログ)使用者が中国ネットユーザーに占める割合が半数を超えた。うち、モバイル端末からのミニブログユーザーは2011年末の1億3700万人から1億7000万人に増えた。

 ▽モバイル決済も急速に発展

 2011年末、中国ネットユーザーにおけるインスタントメッセンジャー使用率は8割を超え、今年上半期には82.8%に達している。モバイルインターネット(特にスマート端末)の普及、およびモバイルチャットツールの革新により、インスタントメッセンジャーは最大のネット利用法としての地位を固めた。以下、検索エンジンが第2のネット利用法となっている。

 注目すべきは、ネットバンクとネット決済の利用増加だ。今年6月現在、ネットバンクユーザーは1億9100万人、ネット決済ユーザーは1億8700万人に達し、昨年末比でいずれも2000万人以上増加している。中でも、モバイルオンライン決済の発展は顕著であり、今年上半期に同サービスを利用した人は4440万人に達し、昨年末比1400万人増加した。

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