貴州省科学技術庁と中国科学院国家天文台は24日午前、貴州市に電波天文台を共同建設する科学技術協力協定を結んだ。科技日報が報じた。
500メートル球面電波望遠鏡(FAST)は「第11次五カ年計画」期の国家重大科学技術インフラ建設プロジェクトであり、世界で現在建設中の単一アンテナの電波望遠鏡としては、最大の口径と威力を誇る。同プロジェクトの建設期間は約5.5年で、貴州省黔南プイ族ミャオ族自治州平塘県にあるカルスト地域のくぼ地に建設される。
2011年3月のプロジェクト着工以来、工事は計画通り進められており、土木建築はまもなく完了する。FASTの全工事が完了し、稼動が始まるのは2016年9月の予定。完成すれば、これまで交通の便も悪く閉鎖的だった黔南のカルスト地域が世界の注目を集める国際的な天文学術センターとなり、貴州と世界をつなぐ新たな窓口となる。FASTを主体とする天文科学普及基地が、中国西部ないしは中国全土の科学普及業務を推進し、「科教興国(科学技術と教育による興国)」の目標実現を後押しする。
協定によると、双方が共同建設する天文台の任務は以下の通り。
(1)FASTプロジェクトの建設期間中、工事現場の調整と管理を担当する。
(2)FASTの建設・運行・保守・研究を行う人材チームを結成・育成し、現場の経費管理と後方支援を行う
(3)国家天文台貴州大学天文聨合研究センターの関連業務を担当する。