2012年07月30日-07月31日
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中国製の機関車、エストニアへ輸出

2012年07月30日

 北京市長辛店に位置する中国北車傘下の北京二七軌道交通装備有限責任公司から27日午前、一台の入換機関車「DF7G-E」が出発した。この機関車は天津で船に積まれ、北欧のバルト海沿岸のエストニアへと運ばれる。これにより、中国製の機関車が初のEU市場進出を果たした。科技日報が報じた。

 「DF7G-E」は赤レンガ色の北欧風デザインで、中世の城をイメージしたエッジが際立つボディラインを有する。同機関車は、鉄道・機関車分野で世界一厳格とされるEU標準・ロシア標準に沿って設計製造されたため、「世界最高レベルを誇る中国製機関車」と言われている。その設計製造の過程では、173項目のEU標準(細分化すれば299件の文書)の要求を満たし、さらに設計製造の全プロセスにおいて、EU諸国の認可を得たフランスBV社による、EU標準に基づく監督と評価を受けた。

 「DF7G-E」は最大出力1500キロワット、軌間1520ミリのディーゼル機関車だ。EU標準に基づき、同機関車の圧縮耐力は3500KNに達する。ちなみに現在中国の機関車の圧縮耐力はほとんどが2000KNであり、最新の高速鉄道「和諧号」でも最大3200KNとなっている。

 「DF7G-E」の部品は外部から内部にいたるまで、国内の設計標準を上回るつくりとなっている。重要部品であるシャーシ・フレームの使用寿命は40年と長く、中国国内の同タイプの機関車部品を大きく上回る。バルブ部分にもラバーマウントを採用し、使用寿命は従来の3倍以上に延びた。

 このほか、「DF7G-E」はディーゼル機関車でありながら、環境保護指標でも欧州の排出ガス規制基準「ユーロ3」を満たし、エコ機関車のモデルと呼ばれている。

 契約によると、同公司は今後2年以内に2回に分けて、同機関車16台をエストニアに提供する。同機関車は、エストニアで現在使われている旧ソ連製の旧式入換機関車の代わりとして、幹線輸送で使用される。

 同公司の公報担当者は、「中国北車はここ数年、欧州鉄道市場の開拓を重視してきた。すでに、中国企業として初めてハイパワー交流電気機関車を欧州(ベラルーシ)に輸出したほか、貨物列車を初めて欧州先進国(フランス)に輸出するなど、欧州でブランド影響力を拡大している。今回、再度欧州市場へ進出を果たしたことで、中国北車の欧州における発展がより促進されるだろう」と語る。

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