旅順博物館所蔵の甲骨から新たな甲骨文字を発見

2012年 8月1日

 旅順博物館が7月30日に明らかにしたところによると、中国社会科学院などの専門家はこのほど、旅順博物館所蔵の未公開の甲骨1700枚あまりの中から6文字の新字を発見した。新華網が報じた。

 中国甲骨学および先秦史研究の権威である中国社会科学院の宋鎮豪研究員は、「この発見は、110年前に甲骨文字が発見されて以来の大発見であり、殷商時代の研究にとって重要な史料となる」と語る。

 旅順博物館の王若副館長によると、初歩的な分析の結果、これらの新字は地名・人名を意味するものが主と見られているが、具体的に何を意味しているかについては現在研究中だという。

 宋氏によると、これまでに発見された甲骨は約13万枚、甲骨文字は4千文字あまりに上る。甲骨に記載された内容は豊富で、商代の社会生活の各方面に及ぶ。その内容には、政治、軍事、文化、社会習慣などのほか、天文、暦法、医薬などの科学技術も含まれる。宋氏は「すでに識別された2千文字あまりから見るに、甲骨文字は『象形、会意、形声、指事、転注、仮借』という6つの造字法からなる漢字を全て含んでおり、中国の文字特有の魅力を持つ」と語る。

 旅順博物館は2200枚あまりの甲骨を所蔵しており、そのほとんどは清朝末期の甲骨金石学の第一人者・羅振玉の個人所蔵品。旅順博物館の所蔵する甲骨はその年代範囲も幅広く、第1期から5期までの甲骨を全て網羅している。これらは3千年前の商代の歴史・社会生活を記録した貴重な資料であり、農業、宗教、気象、戦争など様々な情報が記載されている。

 宋氏によると、旅順博物館所蔵の甲骨のうち、拓本が取られ、記録されているのはわずか300枚で、さらに200枚は模写された物しかない。その他1700枚あまりは未公開であり、国内外の甲骨学において最後に残された未知の研究分野と言える。これら所蔵品のうち、ある亀の甲羅には1枚に150文字以上の甲骨文字が刻まれており、これまでに発見された甲骨の中でも非常に珍しいという。

 7月5日、国家社会基金プロジェクト「旅順博物館殷墟甲骨文の整理・研究」が正式に始動した。同プロジェクトは中国社会科学院と旅順博物館の協力によるもので、宋氏は研究の主任を務める。

 宋氏は、「今後作業が進むに伴い、まだ新たな字が発見される可能性もある。次なる作業としては、博物館所蔵の甲骨に対する考証・解釈、分類、年代分析などの詳しい研究を行うほか、2014年には旅順博物館所蔵の甲骨文に関する著作を出版し、甲骨学と殷商の研究発展に役立てる」と語る。

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