中国、2015年めどに「量子通信衛星」の打ち上げ目指す

2012年 8月16日

 潘建偉氏など中国の科学者はこのほど、世界で初めて伝送距離100kmの量子テレポーテーションに成功し、世界初となる「量子通信衛星」の打ち上げに向け技術基盤を築いた。同成果は世界的に権威のある学術誌「ネイチャー」の8月9日号にに掲載された。新華網が報じた。

 量子情報はその伝送効率と絶対的な安全性から次世代ITを支える研究になると見られており、 世界の物理学研究の最前線、焦点分野にもなっている。中国科学院は量子もつれ、量子メモリーなど核心分野における過去10年間の中国によるブレークスルーを基礎に、2011年から 「宇宙科学戦略的先導科学技術特別プロジェクト」を始動。2015年をめどに世界初の「量子通信衛星」打ち上げを目指している。

 中国科学技術大学教授の潘建偉氏、彭承志氏、陳宇コウ氏、中国科学院上海技術物理研究所の王建宇氏、光電技術研究所の黄永梅氏などの共同チームは2011年10月、青海湖で初めて伝送距離100kmの量子テレポーテーションに成功した。同実験により、地上から衛星への量子テレポーテーション、および衛星から2つの地上ステーションへの量子テレポーテーションがいずれも可能であることが証明され、衛星による広域量子通信に向け技術基盤を築いた。

 研究チームメンバーの彭承志氏は「エネルギー損失の大きい地上で100kmの伝送に成功したということは、エネルギー損失の小さい宇宙では伝送距離は1千キロメートル以上に達する。これにより、量子通信衛星による遠距離情報伝達問題が基本的に解決された」と語る。量子通信衛星のコア技術でブレークスルーを果たしたことで、グローバル量子通信ネットワークの構築に向けた実行可能性が高まった。

※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます

さくらサイエンスプランウェブサイト

さくらサイエンスプランウェブサイト

 

中国関連ニュース 関連リンク

オリジナルコンテンツ

柯隆が読み解く

2014/2/18更新
「中国の歴史問題」

富坂聰が斬る!

2013/12/27更新
「中国賃金事情」

和中清の日中論壇

2014/2/3更新
「失望」に潜む米国のメッセージと日本の「積み木崩し」

田中修の中国経済分析

2014/2/7 新コーナー開設
「中央経済工作会議のポイント」

服部健治の追跡!中国動向

2014/2/27 新コーナー開設 「安倍総理の靖国神社参拝に想う(上)」

川島真の歴史と現在

気鋭の研究者が日中関係を歴史から説き起こす。幅広い視点から新しい時代の関係を探る。

科学技術トピック

New

2014/3/5更新
「赤外線カメラと簡牘資料の日中共同研究」
工藤 元男

取材リポート

New

日中関連、科学技術関連のシンポジウム・講演等を取材し、新鮮なリポートをお伝えします。

中国の法律事情

New

2014/3/7更新
「百度(バイドウ)の著作権侵害をめぐる攻防の結末」朱根全

日中交流の過去・現在・未来

日中交流のこれまでの歩みとこれから

日中の教育最前線

日中の教育現場の今をレポート

中国国家重点大学一覧

 

中国関連書籍紹介

New

2014/3/12 書評追加掲載

文化の交差点

New

2014/3/18更新
「日本における中国古代絵画」朱新林

中国実感

日本人が実感した中国をレポート

印象日本

中国が日本に滞在して感じたことをレポート

CRCC研究会

過去の講演資料、講演レポート

CRCC中国研究サロン

過去の講演資料、講演レポート

最新イベント情報

アクセス数:31043468