2012年09月03日-09月07日
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中日、北京で廃棄物循環利用に関するシンポジウム開催

2012年09月04日

 JICA(独立行政法人国際協力機構)が主催する「都市廃棄物循環利用シンポジウム」が3日午前、北京シェラトンホテルで行われ、中日両国の地方政府(自治体)、研究機関、企業およびNGOの関係者ら約100人が出席した。出席者らは中日の都市廃棄物循環利用および循環型経済の発展などをめぐり幅広く交流し、検討を行った。人民網が報じた。

 開幕式にはJICA地球環境部の不破雅実部長、中国国家発展改革委員会(発改委)資源節約・環境保護司の馬栄・副巡視員、在中国日本国大使館の青戸直哉参事官が出席し、式辞を述べた。

 不破部長は式辞の中で、「発展途上国が直面する問題の中でも、人口の集中による都市の水質汚濁、大気汚染、廃棄物の未処理等の問題は日に日に深刻化している。JICA地球環境部は地球環境の保護のために幅広い努力を行っている。JICAは世界各国において、政府組織の対応能力強化を通じ、廃棄物管理面のサービス改善に取り組んでおり、現地がしっかりと廃棄物を回収・運搬・処理できるようになるよう支援を提供している」と語った。

 馬副巡視員は「日本は循環型社会構築の面で世界をリードしており、都市の典型的廃棄物資源管理面でも豊富な経験を積み、着実な効果をあげている。これは中国にとって良い模範となる。中日双方は循環型経済分野で良好な協力関係を築いている。2004年に発改委と日本経済産業相が初めて循環型社会中日対策対話を開催して以来、中日両国政府は循環型経済政策に関する対話やフォーラムを毎年開催し、交流を促進している」と述べた。

 JICAと発改委は2011年、「都市典型廃棄物循環利用体系建設及びパイロット事業プロジェクト」を始動した。同プロジェクトの目標は、4つの対象都市(嘉興市、青島市、貴陽市、西寧市)において都市の典型的な廃棄物(食品ごみ・包装ごみ・タイヤ・剪定ごみ)に対する調査研究を実施し、関連のパイロットプロジェクトを建設し、都市廃棄物の適切な管理・資源化利用に向けた国家レベルの政策研究に建議を提供すること。

 シンポジウムでは、同プロジェクトの実施から1年間で得られた成果と進展状況について報告されたほか、政府機関・大学・NGOなどの関係者が都市廃棄物循環利用に関する政策や各地方都市の動向、近年注目を集める食品廃棄物循環利用面での中日協力事業などを紹介。中日双方が今後都市廃棄物分野で行うべき業務について共に検討を行った。

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