2012年09月03日-09月07日
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北京 ナノ素材の安全性めぐり、各国の専門家が討論

2012年09月07日

 ナノテクノロジーの発展に伴い、ナノ素材が人体および環境に及ぼす影響は科学界から大きな注目を集めつつある。第6回ナノトキシコロジー国際会議(Nanotoxicology2012)が5日、北京で開催された。中国、米国、カナダ、英国など30以上の国・地域からナノ分野の専門家ら600人あまりが出席し、ナノ素材の生物学的影響や安全性などの問題をめぐり、交流・討論を行った。新華社が報じた。

 ナノテクノロジーの進歩は材料、医薬、エネルギー分野の発展を推進している。ナノ素材の生物学的影響や安全性の研究は基礎科学的な意義を持つのみならず、ナノテクノロジーの応用と持続的な発展にも関わる。

 世界では関連の研究が急速に発展しており、「ナノトキシコロジー(ナノ毒性学)」という新たな学問も形成された。中国は世界で最も早く同分野の研究に着手した国の1つで、すでに40あまりの研究機関が、人工ナノ素材の環境・健康に及ぼす影響、安全性、および関連の検査・分析技術に関する研究を行っている。

 専門家は「EU、米国などは相次いでナノ製品の安全性、標準、貿易に関わる各種法規を制定し始めている。中国がナノ製品と技術の安全性研究を強化し、関連標準・技術を確立することは、ナノテクノロジーの産業化を加速し、競争力を高める上での重要な保障となる。中国が世界の関連法規制定において発言権を持つためには、ハイレベルな研究を通じてハイレベルな専門家を育成するしかない」と指摘した。

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