2012年09月17日-09月21日
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汚泥をクリーンエネルギーに転化できる可能性

2012年09月21日

 中国では毎年1千万トンもの汚泥が産出されるが、現在広く用いられている埋め立て、焼却、農用などの処理方法ではいずれも環境汚染が生じ、汚泥中に含まれるエネルギーも十分に利用できない。汚泥をクリーンエネルギーに転化する方法はないのだろうか?浙江農林大学の曹玉成教授はこの課題に取り組んだ。新華網が報じた。

 エネルギー分野の学術雑誌「Renewable & Sustainable Energy Reviews」にこのほど、汚泥のエネルギー転化に関する曹教授の論文が発表された。同論文は、嫌気性消化と急速熱分解を組み合わせた技術により、汚泥処理のプロセスにおけるエネルギー消費を節約すると同時に、汚泥を高発熱量のバイオ燃料・炭素隔離が可能なバイオ炭に転化し、汚泥の付加価値利用が実現できることを技術・理論面から証明した。

 曹教授は現在、関連の企業と同技術の応用試験を行っている。曹教授は「もしこの技術が普及すれば、都市部の汚水処理工場は大量の汚泥のために悩まなくてもよくなる」と語る。

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