2012年10月22日-10月26日
トップ  > 科学技術ニュース>  2012年10月22日-10月26日 >  アジア最大の電波望遠鏡、上海で使用開始

アジア最大の電波望遠鏡、上海で使用開始

2012年10月29日

 上海市西郊外のシャ山で10月28日午前10時、アジア最大規模・世界先進水準を誇る電波望遠鏡アンテナシステムの使用が正式に開始した。同プロジェクトは中国科学院と上海市政府が共同で実施する重要プロジェクトで、中国電子科技集団公司によって自主開発され、中国科学院・上海市政府・月探査プロジェクトなどの共同出資により建設された(2009年に着工)。中国科学院上海天文台が運用を担当する。人民日報海外版が伝えた。

 同望遠鏡のアンテナの口径は65メートル、高さは70メートル、重さは2700トン。数多くの国内初の技術(超大型アンテナの構造設計、反射面の技術、高精度円周溶接技術など)が採用され、同タイプの電波望遠鏡としては世界4位、アジア1位の性能を誇る。

 同望遠鏡の総設計師である杜彪氏は、「同望遠鏡は電波天文学、天文地球力学、宇宙科学など様々な学科において中国ないしは世界を代表する観測設備となるだろう。今後は、中国の月探査プロジェクト第3段階および、月・火星探査を含む深宇宙探査任務に使用されるほか、電波天文観測などの様々な科学研究にも用いられる」と語る。

※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます