2013年02月18日-02月22日
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超大型の太陽嵐が発生? NASAの説に中国専門家が疑問

2013年02月22日

 英国メディアの報道によると、米航空宇宙局(NASA)は超大型の太陽嵐(ソーラーストーム)が今年中に発生すると警告している。この太陽嵐の影響で英国は大規模な停電に見舞われ、重要な通信信号が長期的に使えなくなるという。中国でも英国と同様の状況が発生するのだろうか?事前に防ぐことはできないのだろうか?中国気象局宇宙天気予報台の責任者・薛炳森氏は取材に答え、「この情報を知ったときは意外だった。大規模な黒点爆発が起こる前には前兆がある。中国気象局のこれまでの黒点観測では、太陽の状態は普段と変わらず落ち着いている」と語った。

 薛氏はNASAがこの結論を出した理由について、次の3つの理由を挙げた。

 (1)一部の科学者は、太陽活動のサイクルが肉眼では見えない磁気エネルギーの蓄積と解放のプロセスであると考えている。現在の第24太陽活動周期は太陽活動が小さいため、その分太陽内のエネルギーが蓄積していると推測される。ゆえに、集中的な大規模爆発があった場合、そのエネルギーはこれまでと比べて強大となると予測されるため。

 (2)大量の歴史文献の分析によると、超大型の太陽嵐は約150-200年の周期で発生している。前回大規模な太陽嵐が発生したのは1859年で、その後似たような太陽嵐は発生しておらず、発生率は高まっている。また、2013年は第24太陽活動周期のピークにあたるため、今年太陽嵐が発生する可能性が高いと予測されている。

 (3)メディアが大げさに書き立てているため。

 太陽嵐による停電や通信障害などの影響について、薛氏は「停電を引き起こすほどの太陽嵐ならば発生前に予測できる。太陽嵐が地球に到達するまでに少なくとも1日あるため、十分な準備が可能だ。大規模な停電事故は予防できるので、心配する必要は無い。大規模な太陽嵐は黒点群から発生する。この黒点群は太陽表面において非常に目立つため、専門的な望遠鏡なら普通の人にも観測できるほどだ。予報台は観察と分析を通じて、黒点の未来の爆発状況を予測することが可能だ」とした。

 薛氏はまた、「英国は高緯度に位置し、太陽嵐が地球に到達した後、地磁気の変化が激しく、送電網に大きな反応がある。中国は緯度が低いため、地磁気の変化は英国よりも少なく、通信への影響もそれほど大きくない」とした。人民網が伝えた。

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