2013年03月18日-03月22日
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有線テレビ網 全面的なデジタル化・ネット対応へ

2013年03月26日

 本紙が3月25日に得た情報によると、中国国家新聞出版広電総局は現在、「2013-2015年三網(通信網・インターネット・有線テレビ網)融合計画」(以下、同計画)を制定中で、その主要目標がすでに確定された。2015年末までに、全国の県級以上の都市の有線テレビ網はデジタル化を全面的に実現し、インターネット接続サービスなど、各種ネットワークサービス機能を持つことになる。経済参考報が伝えた。

 2015年末には、ユーザーのインターネット接続・使用に、「各地の有線テレビ網を用いインターネットに接続する」という新たな選択肢が提供されることになる。業界内では、「同目標が順調に実現された場合、消費者を悩ませている『偽物ブロードバンド』問題を根本的に解消し、大手通信キャリアの市場における主導的地位を直接脅かし、市場構造を徐々に変化させることになる」とささやかれている。

 関係者は、「同計画は制定中で、今年の年中に正式に発表される見通しだ。同計画の実施後、三網融合がさらに推進される。同計画は多くの重要な内容に関連する。その中心となるのは、2015年末までに全国の県級以上の都市の有線テレビ網を、全面的にデジタル化するという内容だ。そのうち80%は双方向接続機能、インターネット接続サービス、およびIPTV、有料テレビ、娯楽・ゲーム、オンライン決済、IP電話などのインターネットサービス機能を持つことになる。わかりやすく言えば、全国各地で有線テレビのある場所ならば、ネットワーク接続により各種サービスを受けられるようになる」と説明した。

 本紙が融合網や中広互聯などの専門機関から得た情報によると、中国国内の一部都市の有線テレビ網は現在すでにデジタル化双方向改造を完了しており、インターネット接続の機能を持っている。歌華有線などの有線テレビ網の事業者も、ネットワーク接続サービスを提供中だ。しかし大多数の都市の有線テレビ網は、インターネット接続機能を持たない。業界関係者は、「同計画で設定された目標が実現されれば、2015年に全国各地の有線テレビ網がインターネット接続機能を持つことになる。これにより、少なくとも100社のブロードバンド接続サービス企業が誕生する」と指摘した。

 十分な競争が展開される市場環境を形成することにより、市場で取り沙汰されている「偽物ブロードバンド」問題が根本的に解消される見通しだ。また通信事業者がインターネット接続サービス市場に進出することで、大手通信キャリアの主導的地位が脅かされ、ネット接続料金が低下し、通信速度が上昇する可能性がある。

 同計画はまた、有線テレビ網のインターネット接続速度についても規定した。各地の有線テレビのインターネット接続速度は、2015年に30Mbps以上に達し、条件が整った一部地域は100Mbpsを目指すことになる。

 同計画はさらに、三網融合の後続試行都市、および推進の進捗についても目標を示す可能性がある。中国国務院三網融合工作協調チームは2010年7月、第1期三網融合試行地区を審議・認可した。これには北京・大連・ハルビンなどの12の都市・地区が含まれたが、その後の三網融合の進捗は遅れていた。中国国務院は2013年1月、「三網融合第二段階試行地区(都市)リストに関する通知」を発表し、天津・重慶・石家荘・西安を含む42の都市・地区が入選した。情報によると、同計画は上述した試行都市に限らず、全国の各直轄市・省都・その他の条件を備える都市で、三網融合を進めることになる。

 興業証券などの証券会社が発表したリサーチによると、同計画は三網融合を加速し、大量の設備投資需要を生み出し、市場規模の急速な拡大を促す見通しだ。興業証券は、2013-2015年の三網融合産業の市場規模は、それぞれ130億元・320億元・1000億元に達し、計1400億元(約2兆1000億円)を上回ると予想した。その他の各市場調査機関は、2015年末に各地の有線テレビ網のデジタル化改造がすべて完了し、そのうち双方向化率は80%以上に達し、双方向テレビの普及率は2011年末の7%から40%に上昇すると予想した。中国の現在の有線テレビ網のデジタル化率は56%、双方向化率は38%のみで、ネットワーク改造の余地が残されている。これは通信設備業界が、高い発展潜在力を持つことを意味する。

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