2013年03月18日-03月22日
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高分解能観測衛星、中国が4月打ち上げを予定

2013年03月29日

 中国国家国防科学技術工業局が28日に明らかにした情報によると、中国重大科学技術特別プロジェクト高分解能地球観測システム「高分1号」は、衛星・打ち上げロケットの工場出荷検査を完了し、打ち上げの実施段階に入った。同衛星は4月中に打ち上げを予定している。新華社が伝えた。

 高分1号は、中国高分解能地球観測システムの1基目の衛星で、宇宙高分解能・マルチスペクトル・広範囲カバーを結びつけた光学リモートセンシングなどのコア技術を把握した。同衛星の設計上の使用寿命は5-8年。同システムの構築は、「国家中長期科学・技術発展計画綱要(2006-2020年)」が定めた16の重大特別プロジェクトの一つで、中国国家国防科学技術工業局と人民解放軍総装備部が推進する。

 同プロジェクトには、宇宙観測システム、準宇宙観測システム、航空観測システム、地上システム、応用システムなどが含まれる。同プロジェクトは第12次五カ年計画期間(2011-2015年)に5-6基の観測衛星の打ち上げを予定しており、宇宙高分解能・高時間分解能・高マルチスペクトル分解度による地球観測システムの構築を目標とする。同システムは2020年にその他の観測手段と結びつけ、時間空間的協調が可能・24時間・全天候型で、世界範囲の観測能力を持つ安定運行システムを形成する。

 高分1号は、中国航天科学技術集団公司所属の宇宙技術研究院、航天東方紅衛星有限公司が開発した。主な使用者は、中国国土資源部(国土資源省)、中国農業部(農業省)、中国環境保護部(環境保護省)だ。

 特別プロジェクトの実施により、中国の高分解能観測データの取得能力が全面的に向上し、中国宇宙情報応用システムの建設が加速し、衛星・応用技術の画期的な進展を促す。現代農業・防災減災・資源環境・国家安全の重大戦略の需要を満たし、国土調査・利用、測量・製図、海洋・気候の気象観測、水利・林業資源のモニタリング、都市・交通の細やかな管理などを支援する。

 高分1号の任務は、衛星・打ち上げロケット・打ち上げ場所・コントロール・地上・応用の6大システムによって支えられる。今回使用される打ち上げロケット「長征2号丁」は、中国航天科学技術集団公司所属の、上海航天技術研究院が開発した。

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