2013年04月22日-04月26日
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地震は予測可能か? 日本の地震警報システムに注目

2013年04月24日

 地震を予測することは可能だろうか。先週末に四川省蘆山県で発生したM7.0の地震により、深刻な被害が生じている。積極的に救助活動を展開すると同時に、多くの中国人は地震が予測可能か否かに関する議論を始めている。実際には中国だけでなく、世界でもこの問題に関する議論が続けられており、各国の地震研究も幾多の浮沈と曲折を経ている。国際科学会の関連研究によると、米国や日本のトップクラスの地震専門家を含む各国の権威ある学者はこの20年間にわたる研究の結果、地震は予測不可能であり、地震予報の研究は希望のない作業だとしている。広州日報が伝えた。

 ■日本 揺れ到達の十数秒前に警報

 日本の鉄道技術研究所は1989年に、世界初の実用的な地震警報システムを開発した。1996年の阪神淡路大震災の後には、高感度の地震観測ネットワークが構築された。2004年には全国的な地震警報システムが試運転を開始し、2006年に正式に運転を開始した。東京大学の地震専門家の目黒公郎教授は東海大地震をシミュレートし、地震の警報が100%普及した場合、死者を80%減少できるとした。

 しかし地震の警報は、地震の予報と異なる概念だ。地震の予報は地震発生前に、発生の可能性がある地震について事前通知を出すことだ。地震の警報は地震発生後に、振動波が地表に到達し損失をもたらす前に出す警報のことだ。日本が現在取り組んでいるのは、地震発生後の数秒内の迅速な警報であり、地震発生前の予報ではない。

 地震の実体波には揺れの弱いP波(縦波)と揺れの強いS波(横波)がある。前者は岩盤中で5.5-7キロメートル/秒、後者は3.2-4キロメートル/秒の速さで伝わるが、電波の速度は30万キロメートル/秒だ。日本が開発した地震警報システムは、電波の速度が地震波を上回る特徴を利用し、この時間差で警報を出す仕組みだ。

 地中深くに設置された地震計はP波を観測すると、直ちにコンピュータにデータを送る。コンピュータは震源、マグニチュード、地震波が各地に到達する時間と震度を分析し、そのデータを気象庁に送る。地表に達するS波の揺れが一定の程度に達すると予想される場合、テレビ・ラジオ・衛星などのデータ伝送システムを通じ緊急地震警報を出す。電源がオフにされていても、テレビと携帯電話は警報を直ちに受信できる。農村部では、現地政府が住民にラジオを配布し、すぐに避難情報を得られるようにしている。


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