四川省文物考古研究院の唐飛副院長は8日、四川大地震の被災地跡デジタル化プロジェクトについて取材に答え、「あと1回の航空撮影で全てのデータがそろう。プロジェクトは今年10月に完成する見通しだ」と述べたほか、「将来的にはバーチャル展示を計画しており、展示ブースで四川大地震被災地跡の立体映像が見られるようになる」とした。四川日報が伝えた。
四川大地震の被災地跡デジタル化プロジェクトとは、大地震の歴史を風化させないために、最新技術を駆使して被災地跡の映像を永久に残すというもの。同プロジェクトでは、航空撮影、高高度マッピング、データシミュレーション、レーザースキャニングといった新技術を用い、▽ブン川特大地震記念館▽映秀震源地地震遺跡記念地▽漢旺東汽工業地震遺跡記念地▽都江堰虹口深渓溝地震遺跡記念地----の4地点・計72カ所の地形、建築物などのデータを採取する。被災地跡の様子を全面的に記録することで、地震前後の被災地の変化を対比できるようになり、被災地跡の研究と保護に向けた新たな手段となる。
デジタル化の役割はこれだけではない。上述の記念館・記念地の展示ブースには、収集した映像データを基にした、新たな展示コーナーが設置される。竜門山断層帯の被災地のデータを全て共有させる予定で、例えば、都江堰虹口深渓溝地震遺跡記念地を訪れた来場者が「漢旺」のボタンを押せば、漢旺鎮の被災地映像が映し出される。
将来的にバーチャル展示が完成すれば、来場者は被災地のリアルな3D映像を目にすることができる。