中国科学院が20日に明らかにした情報によると、中国人科学者がこのほど、標高6500メートルのチョモランマ峰のドンロンブ氷河から、氷床コアを3本(計300メートル)掘削した。そのうちの1本は長さが142メートルに達し、チョモランマで掘削された氷床コアの中で最長を記録した。人民日報が伝えた。
最長の氷床コアを掘削したチョモランマ氷河調査隊は、調査任務を終えてラサに帰還した。
科学者は今後、ラサと蘭州で掘削した氷床コアの処理とサンプリングを実施する。さらに北京・蘭州の実験室で、氷床コアのサンプリングに含まれる水素・酸素安定同位体、炭素同位体、重金属(水銀など)およびその他の化学成分・有機汚染物の検査を行い、一部のサンプルをさらに海外の実験室に送る。研究は1-2年に渡り継続される。
情報によると、今回のチョモランマ調査は今年4月上旬にスタートし、1カ月余りに渡り実施された。
中国は1959年に氷河を含むチョモランマの総合調査を開始したが、2002年以降は氷床コアを掘削していなかった。この10年間で、地球温暖化が深刻化したのみならず、一部地域(南アジアなど)で大気汚染物質の排出量が増加を続けている。気候・環境変化の天然の記録保存館である氷床コアから、データを獲得することが急務となっている。