2013年05月20日-05月24日
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NASA 食品用3Dプリンタの開発に着手

2013年05月23日

 アメリカ航空宇宙局(NASA)は人類による火星移住を計画しており、この数年間に渡る任務のために十分な食料を確保しなければならない。そこでNASAが考えついた「究極のプラン」は、3Dプリンタによる食事の提供だ。NASAはすでに資金を投じ、この研究を支援している。北京晨報が伝えた。

 ◆食品を「出力」

 米ワシントン・ポスト紙は22日、「NASAはテキサス州に本社を置くシステム&マテリアルズリサーチ社に12万5000ドルを投じ、宇宙飛行士に栄養価が高く美味しい食品を提供できる3Dプリンタの開発を進めている」と伝えた。計画によると、この3Dプリンタは「デジタル化献立」に基づき各種粉末を混合し、見た目も味も良い食品を作り出すという。

 計画によると、3Dプリンタは宇宙飛行士の栄養需要・健康状況・味の好みに特化し、オーダーメイドの食品を作り出せる。

 3D印刷技術はデジタル図に基づき、数百万枚の断面形状を積層することで、3Dの物体を形成するというもの。3D印刷技術の愛好家はすでに同技術を用い、プラスチック製玩具や銃といったさまざまなモノを作り出している。

 ◆おふくろの味

 システム&マテリアルズリサーチ社は、宇宙飛行士の食品に用いられる栄養成分を、粉末状にしてケースに保存することを提案している。宇宙飛行士が献立を選択すると、必要な食材が一つの空間の中に入れられ、水や油と混ぜられる。この混合物は加熱後、加熱されたプレートにのせられる。食品はこのプレート上で一層ずつ形成され、新鮮な料理が出来上がる。

 理論的には、宇宙飛行士は母の手料理を楽しめる。3Dプリンタは地上とリンクし、個性化された料理指導や献立を受信できる。例えば宇宙飛行士の母がパソコンでドーナツの作り方を設定し、それを宇宙船に送ることが可能だ。

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