2013年06月03日-06月07日
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神舟10号 高精度測量・制御システムが完成

2013年06月06日

 太原衛星発射センターの于志堅チーフエンジニアは、「当センターの次世代高精度測量・制御システムが初歩的に構築された。全天候条件下のリアルタイム画像の取得、目標物の状態の測量、情報の迅速な分析・処理・評価、準宇宙目標物の特徴識別などの総合能力が飛躍的な進展を実現し、中国有人宇宙船発射任務の測量・制御の需要を完全に満たせるようになった」と語った。科技日報が伝えた。

 同センターの情報によると、有人宇宙船「神舟10号」の任務に参加する人員と設備はすでに準備を整えており、いつでも打ち上げ体制に入ることができる。

 中国測量・制御ネットワークの重要な構成部分である、同センター所属の測量ステーションは、神舟の発射任務で重要な役割を果たしてきた。神舟10号の発射任務において、同センターは発射上昇中の追跡測量および宇宙衝突予報警戒任務を遂行する。

 発射上昇段階とは、ロケットの点火・発射から、宇宙船が予定の軌道に入る区間のことで、約10分が必要となる。同センターの科学技術部の劉鉄峰主任は、「当センターはロケットの点火・発射から約200秒後に、酒泉衛星発射センター所属のレーダー測量ステーションから『バトン』を引き継ぎ、陽曲や岢嵐などの8つのレーダー測量点の調整を指揮し、協力して神舟10号を宇宙に送り込み、ロケットと宇宙船が分離され、宇宙船が予定の軌道に入るまでサポートを続ける」と説明した。

 太原指揮所の王江生指揮長は、「この8つの測量ステーションは、光学測量・外弾道測量・遠隔測定データ測量を通じ、さまざまな手段による立体的で隙のない測量ネットワークを形成する。主な任務は、ロケットの飛行の過程における位置・速度・環境・状態などの重要データの収集で、取得したリアルタイムのデータと理論値を比較対照することで、実際の飛行軌道と理論上の飛行軌道の具体的な差を知ることができる。さらに角度を修正することで、宇宙船を予定の軌道にのせる」と語った。

 宇宙衝突予報警戒は主に、神舟10号の宇宙飛行中の軌道環境に対して、モニタリングを実施する。劉主任は、「当センター所属の測量ステーションはすでに1カ月以上も前から、神舟10号の予定の飛行軌道および周辺を漂う物質に対して時間別のモニタリングを実施し、軌道環境の関連データを全面的に収集しており、宇宙船の軌道上の飛行に信頼性の高い安全保障を提供する」と語った。

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