2013年06月03日-06月07日
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神舟10号 打ち上げに向け準備作業が進む

2013年06月06日

 組立を完了した有人宇宙船「神舟10号」とキャリアロケット「長征2号F」は、酒泉衛星発射センター有人宇宙発射場技術エリアから、発射エリアに垂直状態のまま移送された。これは神舟10号の打ち上げが、最終準備段階に入ったことを意味する。中国有人宇宙プロジェクトの報道官は、「中国は6月中旬に神舟10号を打ち上げ、3人の宇宙飛行士が再び天宮1号を訪問する」と述べた。南方日報が伝えた。

 神舟10号と長征2号Fロケットは3月末に発射センターに到着すると、発射テストの順序に従い、組立・テストなどの技術エリアの主要業務を完了した。神舟10号は推進剤の注入後、キャリアロケットと合体し、完成体になる。

 長征2号Fロケットは、中国航天科技集団公司に所属する、中国キャリアロケット技術研究院が中心になり開発した。神舟9号を打ち上げたロケットと比べ、長征2号Fロケットは10数項目の技術改良を行い、安全性・信頼性を高めた。

 飛行任務を遂行する8大システムの各種準備作業が順調に進められており、宇宙飛行士らは計画通りに訓練を完了し、さらに飛行任務期間の宇宙科学実験および宇宙からの知識教育イベントに向け、専門的な地上でのシミュレーションを実施した。宇宙飛行士らは操作に熟達し、心身ともに万全な状態だ。

 今後数日に渡り、発射場はロケットの機能テスト、人・宇宙船・ロケットの地上での合同テストなどを相次いで実施する。最終状態の検査と確認の後、ロケットに推進剤が注入され、時期を見計らい打ち上げられる。

 情報によると、ドッキング目標機「天宮1号」は5月下旬にドッキング軌道にのり、正常運行を続けており、今後の任務に備えている。

 ◆天宮2号、2年後に打ち上げ

 全国政治協商会議委員、中国有人宇宙プロジェクトチーフエンジニアの周建平氏はこのほど、「神舟10号は有人宇宙?地球往還輸送システムの初の応用性飛行を実施し、打ち上げ後に天宮1号との宇宙ドッキングなどの任務を遂行する。これで中国有人宇宙事業の第2ステップの第1段階が円満に終了し、全面的にスペースラボ・宇宙ステーションの開発段階に入る」と語った。

 周氏はメディアのインタビューに応じた際に、「神舟10号の任務完了以降、天宮1号は他の有人宇宙船とドッキングを実施することはない。しかし天宮1号の科学実験設備を利用し、引き続き科学実験を行うほか、軌道上を飛行する中で技術面(製品の信頼性や使用寿命を含む)のテストを続ける。2年後にスペースラボ・天宮2号を打ち上げ、その後さらに貨物輸送宇宙船を打ち上げて、天宮2号とドッキングさせる」と表明した。

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