2013年06月24日-06月28日
トップ  > 科学技術ニュース>  2013年06月24日-06月28日 >  天宮1号の寿命が間近 海への落下を予定

天宮1号の寿命が間近 海への落下を予定

2013年06月26日

 有人宇宙船「神舟10号」との別れは、ドッキング目標機「天宮1号」がその使命を完遂したことを意味する。天宮1号は現在までに軌道上で635日間に渡り安全運行しており、6人の宇宙飛行士を迎え宇宙科学実験・技術試験を実施し、豊富な成果を獲得した。京華時報が伝えた。

 神舟10号との分離後、天宮1号は再び長期運行軌道に戻った。天宮1号はすでに2年間の設計寿命の末期を迎えており、専門家は「状態が良好なため、設計寿命を超えても任務を続け、軌道上でさまざまな実験を行う可能性があるが、宇宙飛行士を迎えることはない」と指摘した。

 専門家は、「中国は今後、宇宙実験室の天宮2号を打ち上げ、天宮1号と同時に宇宙空間を飛行することになる。天宮1号は寿命が尽きてから、指令を受け地球に落下する。大気圏で燃え尽きるか、海に落下するため、宇宙ゴミになることもなく、地上に危険をもたらすこともない」と説明した。

 □天宮の活躍

 1.2011年9月29日午後9時16分、打ち上げ成功

 天宮1号は軌道上を飛行している中国最大の宇宙機で、実験モジュールと資源モジュールに分かれる。全長は10.4メートル、最大直径は3.35メートル、離陸重量は約8.5トン、設計寿命は2年。

 天宮1号の主な任務は、宇宙ドッキング実験の目標機、および長期間の無人軌道運行、短期間の有人宇宙実験のプラットフォームになり、宇宙科学実験・宇宙医学実験・宇宙技術実験を実施すること。

 2.2011年11月3日1時36分、初のドッキング

 天宮1号は神舟8号を迎え、中国初の宇宙ドッキングを成功させた。神舟8号は無人宇宙船で、天宮1号と12日間に渡り合体飛行し、2回のドッキング実験を実施し、2日間飛行してから分離した。

 初のドッキングの成功は、中国がドッキング技術を初めて掌握したことを意味する。

 3.2012年6月18日午後5時6分、初の宇宙飛行士を迎える

 中国初の「宇宙宮殿」である天宮1号は、打ち上げから262日後に初の乗客を迎えた。神舟9号は昨年6月、宇宙飛行士の景海鵬氏、劉旺氏、劉洋氏を乗せて天宮に向かった。

 天宮1号は6月18日、神舟9号とドッキングし合体した。3人の宇宙飛行士は、初めて「宇宙の部屋」を使用した。

 4.2012年6月24日12時55分、初の手動ドッキング

 中国人が、初めて宇宙船を操縦した。地球上から300キロ余り離れた宇宙空間で、ドッキングから6日間を経た神舟9号と天宮1号がゆっくりと分離した。神舟9号は自動制御により、140メートル離れた位置で停止した。宇宙飛行士の劉旺氏は12時38分に、宇宙船の操縦を開始した。12時55分、天宮1号と神舟9号は再び合体し、中国初の手動ドッキングが成功を収めた。

 5.2013年6月20日10時11分、初の宇宙授業

 宇宙飛行士の聶海勝氏、張暁光氏、王亜平氏は6月20日、天宮1号を中国最高の教室に変えた。午前10時過ぎ、神舟10号の宇宙飛行士は全国の青少年に向け、40分間の宇宙授業を行った。全国の8万校の中学・高校、6000万人の教師・生徒が、ラジオ・テレビ・インターネットの生放送により、授業を視聴した。女性宇宙飛行士の王氏が、この神秘的な宇宙授業の講師を務めた。

※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます