2013年07月01日-07月05日
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3Dプリンタで出力した骨 約40人の患者への移植に成功

2013年07月05日

 北京大学第三医院が4日に明らかにしたところによると、これまでに約40人の患者が署名による同意後、3Dプリンタで出力した「人工の骨」を移植され、定期的な術後検査を受けている。人民日報が伝えた。

 北京大学第三医院整形外科の劉忠軍主任が率いる研究チームは3Dプリンタを使い、数十種類に上る人工移植物を開発した。いずれも脊柱・関節外科分野のもので、うち脊椎椎間体癒合器具、脊椎人工椎体、人工股関節の3種類の製品がすでに臨床観察段階に入っている。

 3Dプリンタによる移植物の脊柱外科手術への応用は、国内外でこれまでに報じられたことがない。劉主任は、「伝統的な技術と比べ、3Dプリンタによって作り出された骨には二つのメリットがある。一つ目のメリットは、どのような形の骨でも作れることだ。3Dプリンタ技術は同じ形状・体積の移植物を直接形成することが可能で、欠けた部分にこれを取り付け、上下をボルトで固定すれば非常に頑丈になる。二つ目のメリットは、3Dプリンタで作り出した移植物にある特殊な隙間だ。これにより周辺の骨を引きつけて、本物と人工の骨をしっかり結びつけ、患者の回復を早めることができる。この技術はすでに動物実験を終えており、今年から臨床観察段階に入ることを許可された」と説明した。

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