2013年07月22日-07月26日
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通信速度は3Gの10倍 4Gの普及に向けた課題とは?

2013年07月23日

中国電信(チャイナ・テレコム)は7月18日、南京市で初の4G試験ネットワークを開通し、主にアジアユースゲームズの各会場、空港、駅、主な観光地や大学などをカバーし、ピーク時の通信速度は100Mbpsに達する。中国国内の4G営業許可証の発行日が近づくにつれ、国内の通信キャリアは4Gネットワークの構築を加速している。メディアの報道によると、中国移動(チャイナ・モバイル)はすでに4G第2期ネットワーク設備の入札募集を開始しており、年内に少なくとも20万基のTD-LTE基地局を建設し、全国100の地市級以上の都市をカバーする予定だ。中国聯通(チャイナ・ユニコム)もFDD-LTEおよびTD-LTEの混合ネットワークのテストを開始している。人民日報が伝えた。

 4Gの未来は美しいものに見えるが、中国国内で4Gを大規模普及させるためには、さまざまな複雑な問題を整理する必要がある。

 ◆広州・深センの中心区、4Gカバー率が3G水準に達する

 中国移動、大唐電信、華為(ファーウェイ)、中興(ZTE)などの中国企業が主導するTD-LTE技術規格は、大規模な通信量、高速な通信速度、高いスペクトラム利用率、ストリームのフレキシブルな調節といった特長を持ち、2010年10月に欧州主導のFDD-LTEと共に、国際電気通信連合(ITU)から4G国際規格に指定された。中国移動広東公司の技術専門家の潘毅氏は、「FDD-LTEは依然として正式に導入されておらず、現在ユーザーにお試し版を提供している4Gは、中国移動が主導し、知的財産権を保有するTD-LTEだ」と説明した。

 中国国内では、4Gの試験的な実用化が相次いでおり、TD-LTEの大規模試験を実施している都市は13都市に増加した。中国移動広東公司の徐竜総経理は記者に対して、「広州と深センは現在、全国最大規模のTD-LTEネットワークを構築しており、杭州と共に国内TD-LTE試験都市のトップ集団入りを果たした」と語った。

 ◆4Gのスマート化時代、産業・国民生活がスピードアップ

 「速い」は、4Gの核心的な内容だ。家庭内でLANケーブルを引くことなく、80Mbpsの超高速通信を楽しめる。高画質のテレビ番組、映画、バラエティー番組を自由に視聴し、オンラインゲームやネットショッピングもフリーズ無しで楽しめる。ネットワークのカバー率の上昇、技術のアップグレード、タブレットや携帯電話などの端末の発売に伴い、4Gは人々の生活を全面的にスマート化時代に招き入れる。オンラインのエンタメがより速く、スムーズに、快適になるばかりでなく、さらに生産・ビジネス・交通・都市建設・家庭・医療・教育などに幅広く応用することが可能であり、産業・国民生活の大幅なスピードアップを促す。

 中国TD産業連盟が年初に発表した「TD-LTE産業発展白書」によると、TD-LTEを運営する通信キャリアが1社しか存在しない場合(中国移動のみの場合)、中国の2016年のTD-LTEユーザーは1億1000万人を上回る。モバイル通信のその他の2社(中国聯通と中国電信)も、将来的にそれぞれの手段により4G化を目指す。楽観的な予測(中国電信と中国聯通が4G時代に入り、TD-LTEを採用した場合)に基づくと、中国の2016年のTD-LTEユーザーは2億人を上回ることになる。

 ◆規格の争い、複雑な問題 大規模普及の障害に

 4Gの未来は美しいものであるが、広範囲の普及を実現するためには、次の障害を乗り越える必要がある。(1)規格の争い。(2)基地局建設の「隣接効果」、建設と立ち退きが困難。(3)市場の許容力。

 専門家はこれについて、「中国の通信キャリアは今後、伝統的な2Gと4Gの同時運営により、ローエンドの需要を確保するべきだ。同時により多くの4Gビジネスモデルを見つけ、顧客により個性化されたサービスを提供し、料金引き下げと使用の経済性を実現するべきだ」と提案した。

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