2013年08月05日-08月09日
トップ  > 科学技術ニュース>  2013年08月05日-08月09日 >  ヒトの脳神経細胞 シャーレで生成が可能に

ヒトの脳神経細胞 シャーレで生成が可能に

2013年08月05日

 脳神経細胞(シャーレ)の研究による、高齢者の認知症、精神分裂症、自閉症などの複雑神経系疾病の治療方法(もしくは治療薬)の開発は、生命科学界で今世界的に注目されている研究内容だ。しかし研究者はこれまで、死亡した患者からしか脳神経細胞をとることができず、研究の質と効率を大幅に引き下げていた。人民日報が伝えた。

 ペンシルバニア州立大学生物学部の華人科学者、陳功教授が率いるチームはこのほど、脳神経細胞を得る理想的な代替法を開発した。これは革新的な新技術に基づくもので、皮膚細胞のゲノム組み換え・分離により成熟した脳細胞を得ることができる。この成果により、高齢者の認知症、精神分裂症、自閉症など複雑神経系疾病の研究が、より安全で効率的になる。同研究成果はこのほど、Stem Cell Research誌に掲載された。

 陳教授は、「同研究の重要な意義は、人類の脳で自然に成長した神経細胞と非常に相似する、成熟したヒトの脳神経細胞をシャーレで生成し、ヒトの脳疾患の研究に使用できることだ。同技術は将来的に、患者本人の遺伝子と細胞情報に基づく、それぞれの患者に特化した治療の開発に用いられる」と説明した。

※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます