2013年08月12日-08月16日
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個人用大気品質測定器 身の回りのPM2.5濃度が明らかに

2013年08月12日

 地域の大気品質よりも、自分のいるオフィス、リビング、車内のPM2.5の濃度のほうが知りたいという人は多い。インテル中国研究院が開発中の個人用大気品質測定器は、この願いを叶えてくれるかもしれない。人民日報が伝えた。

 この測定器「Pervasive Air-Quality Monitoring」(PAM)の研究を担当しているのは、インテル中国研究院の姜小凡博士と、同氏が所属する「中国インテルモノのインターネット技術研究院」のチームだ。情報によると、現在PM2.5などの指標を反映できる個人用大気品質測定器は、ほぼすべてが海外からの輸入品で、価格も3000元から5万元とまちまちだ。姜小凡氏のチームが開発中の同測定器のコストは、約200元(約3200円)のみとなる見通しだ。

 同測定器の側面の通風口には砂塵センサーが取り付けられており、これらのデータをその場でフィルタリング後、内蔵されているアプリにより、現地で測定したデータをクラウドプラットフォームに伝送する。同測定器にはコンパクト版の「MINI PAM」もあり、その体積はジュースの瓶ほどと携帯に便利で、携帯電話のデータ通信もしくはブルートゥースを通じてクラウドプラットフォームに接続することができる。これらのデータはクラウドプラットフォームのビッグデータモデルにより、クラウド処理技術を通じてユーザー所在地の大気品質情報に反映される。

 専門家は、「低コストの携帯型砂塵センサーにより、大量かつおおまかな小データを取得し、クラウドプラットフォームを利用したシステム処理により統一的なデータ分析を行うことで、伝統的な大気品質測定器によるデータ計算・分析のコストを削減できる」と指摘した。

 姜氏は、「我々のチームは技術面でさらなる改善を行う一方で、北京市環境保護・大気品質などの部門と積極的に意思疎通している。将来的には北京の市街地と郊外の電信柱に1000の測定地点を設け、電信柱のケーブルとクラウドプラットフォームを利用し、リアルタイムの環境モニタリングを実施する予定だ。北京の道路を、世界で最も密度の高い大気品質測定地点にする」と説明した。

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