2013年08月12日-08月16日
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無人機開発に反対の声 パキスタンで3000人が犠牲に

2013年08月16日

 米国の国際無人機システム協会が主催した「2013年無人機システム展示会」が、13日から15日にかけてワシントンコンベンションセンターで開催され、世界各地の500社余りのメーカーが参加した。現場にはまた、米国の無人機が世界中で無辜の人々を殺害していることに抗議する人々の姿があった。環球時報が伝えた。

 米軍が近年、無人機を大量に使用していることを受け、米国の軍需企業は無人機システムの開発に注目している。記者が13日に同展示会を取材したところ、米国の無人機システムは、すでに空中・陸地・水中への進出を実現していることが明らかになった。

 ボーイング、ノースロップ・グラマン、ロッキード・マーティンなどの軍需企業は依然として、世界無人機システム開発の主役だ。ボーイングの液体水素を燃料とする無人機「ファントム・アイ」は、2万メートル弱の高空を10日連続で飛行できる。ノースロップ・グラマンは無人艦載機X-47Bを重点的に展示した。同機は空母を拠点とし、海上で情報収集、警戒・監視、偵察活動を継続的に実施できる。ロッキード・マーティンの従業員は、アフガン戦争で使用した「部隊任務支援車両」を紹介した。6つのタイヤを持つこの無人車両は200キロの距離を連続走行でき、内蔵されている運転システムは水・泥・石・砂塵などの熾烈な環境にも対応できる。従業員は「当社は衛星を使い、数千キロ離れた同無人車両を遠隔操作できる。しかし米国防総省が軍事費を削減したことで、同プロジェクトの開発が遅れている」と語った。

 13日午後1時半頃、ワシントンコンベンションセンターの外で、突如怒りのスローガンを叫ぶ声が起こった。多くの人が「無人機による殺人を停止せよ」と書かれた横断幕とプラカードを持ち、デモ行進を行っていたのだ。あるプラカードには、「ボーイングは2011年、議会に544万5586ドルの賄賂を贈った。ロッキード・マーティンは2011年、議会に636万2507ドルの賄賂を贈った」、「無人機が一般人の被害を減らせると思っているのか?第一次世界大戦の死者のうち一般人が占めた比率は40%、第二次世界大戦は60%、ベトナム戦争は70%となったが、無人機による一般人の死亡率は97%以上に達している」と書かれていた。

 パキスタン出身の女性は、「米国はパキスタンにおける無人機の作戦で多くの罪なき一般人を殺害した。同展示会に参加している米3大無人機企業は、人殺しの無人機のメーカーだ」と語った。米国は2004年より、無人機を使用しパキスタンの山間部を360数回攻撃しており、3000人余りのパキスタン人の死者を出している。そのうち70%は、女性や児童を含む一般人だ。スーツ姿のリックさんは、「無人機は究極の殺人兵器であり、登場するのは映画だけに留めるべきだ」というプラカードを掲げていた。国防総省の軍需品の請負業者と称するリックさんは、「私の子供はターミネーターが好きで、映画の中には多くのロボットが登場する。しかしこれらの技術は平和目的のみに利用されるべきで、殺人に利用されるべきではない。私たちの次の世代は、無人機が頭上を飛び偵察・監視する光景を目にするかもしれない。このようなシーンを想像すると、どのような感覚に襲われるだろうか?」と述べた。

 国連の潘基文事務総長は13日にパキスタンを訪問した際に、米国の無人機がパキスタンを攻撃したことを批判し、「無人機の使用は他の武器と同じように、長期的に存在する国際法(国際人道法を含む)の制約を受けるべきだ。これは国連の非常に明確な立場だ」と語った。

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