2013年09月02日-09月06日
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クリーンガス 中国エネルギー戦略の選択肢に

2013年09月04日

 世界最大の発展途上国である中国のエネルギー安全を巡る情勢は日増しに深刻化しており、資源・環境による制限が強まっている。現代化建設の目標を実現するため、中国のエネルギー需要は増加を続けることになり、環境保護と排出削減の圧力は今後も拡大すると見られる。こうした状況の中、天然ガス、シェールガス、コールベッドメタン、メタンハイドレートなどのクリーンエネルギーガスは、中国のエネルギー安全・環境保護・排出削減などが直面している巨大な圧力を効果的に緩和し、さらに新たな経済成長源を育成できるため、中国エネルギー発展戦略の重要な選択肢になるべきだ。人民日報が伝えた。

 一、クリーンエネルギーガス 高効率・クリーン・低炭素

 クリーンエネルギーガスとは、現在の経済社会における技術的条件下、常温物理状態で気体となり、エネルギーもしくは動力を提供する物質を指し、これには主に天然ガス、シェールガス、コールベッドメタン、メタンハイドレートなどの物質が含まれる。

 クリーンエネルギーガスには、次の特長がある。(1)幅広い活用。クリーンエネルギーガスは発電、工業、民間用(家庭用、暖房)、交通機関(ガス自動車)などに利用できる。(2)高い利用効率。原料の生産・輸送・発電の全過程から見ると、ガス発電のエネルギー効率は約40%だが、石炭発電は30%のみで、前者の効率は後者を35%上回る。(3)汚染物および二酸化炭素などのガスの排出の削減。(4)高い経済性。(5)高い安全性・信頼性。ガスエネルギーは保存と輸送の利便性が高い。パイプによる長距離輸送が可能で、一定条件下では液化により保存と輸送の利便性を高められる。ガス発電ユニットは中国電力負荷センターになることが可能で、石炭発電や風力発電にある長距離輸送や安全などの問題がない。クリーンエネルギーガスは最も信頼性の高い優質資源の一つだ。

 二、米国などの先進国のエネルギー戦略に

 米国のシェールガスの爆発的な開発と大規模利用は、米国国内のエネルギー供給を拡大し、そのエネルギー消費構造を改善し、エネルギー独立の歩みを進め、世界エネルギー供給構造の重大な変化を引き起こしている。また米国製造業の競争力を高め、海外へのエネルギー依存を弱め、世界気候交渉における地位を高めた。

 欧州各国はシェールガス開発の開放を計画しており、ロシアと中央アジア諸国も膨大な量のシェールガスの開発を計画している。日本はメタンハイドレートの開発と技術の開発に巨額の資金を投じており、2013年にはメタンハイドレートから天然ガスを取り出すことに成功した。2019年までに海底のメタンハイドレート開発技術が実用化されることが期待されており、日本はこれにより100年分のメタンハイドレートを獲得できる。

 米日などの先進国のクリーンエネルギーガスへの巨額の投資は、金融危機と景気低迷からの脱却のほか、エネルギー・気候変化問題における主導権を把握し、国家間の政治の駆け引きにおけるコマを増やし、戦略的に未来の技術・産業発展の重要な地位を確保し、新たな経済成長に向け力を蓄え、国の将来的な発展の主導権確保に向け準備を整えることを目的としている。

 三、中国でも関連産業の発展が開始 政策面から支援

 第12次五カ年計画期間(2011-2015年)は、中国クリーンエネルギーガス発展の重要な時期だ。「エネルギー発展第12次五カ年計画」、「シェールガス発展計画(2011-2015年)」などの政策による推進を受け、中国クリーンエネルギーガス産業はある程度の発展の基礎を獲得し、力強い発展の勢いを見せている。

 まず、市場の需給が急速かつ秩序正しく発展しており、人々の生活に対する影響度を増している。次に、インフラ整備が推進されており、「西部のガスを東部に、北部のガスを南部に、海のガスを陸に」のガス供給構造が形成された。さらに、調査・開発技術が強化され、設備の国産化水準が高まっている。同時に、クリーンエネルギーガス発展の政策もすでに整えられている。

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